順天堂医学
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原著
培養肝細胞に対する薬物の作用 (第2報)
岩垂 正矩
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1980 年 26 巻 1 号 p. 29-42

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抄録
ラット胎仔由来の上皮性培養肝細胞を用い, 各種抗生物質の細胞毒性に関するスクリーニングを行なった. また, 一部のものについてヒト培養肝細胞を用い比較した. その結果, Gentamicin, Penieillin, Streptomyein, Kanamycinとも, 細胞増殖に対する作用および形態変化はそれぞれ異なり, 薬剤の毒性に差異のあることが判った. また, 生化学的所見においても細胞毒性と比例して, β-Glucuronidase活性の低下・Lactate dehydrogenase活性の増加などが認められた. 染色体観察においても, 高用量になるとchromatid aberrationが増加し, 又回復期を設けることにより2倍体・4倍体の増加が認められた. また, ラット肝細胞とヒト肝細胞との間には, 薬剤に対する感受性に差はなかった.
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© 1980 順天堂医学会
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