順天堂医学
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原著
遺伝性球状赤血球症の2家系
--走査電顕像を中心として--
星野 明彦
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1984 年 30 巻 1 号 p. 59-66

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抄録
先天性溶血性貧血の代表的疾患であり, かつ常染色体優性遺伝形式を示した遺伝性球状赤血球症の2家系を報告するとともに, うち3症例について赤血球の走査電顕所見について検討した. その結果によれば球状, 円盤状およびカップ状赤血球の頻度はそれぞれ17-33%, 32-44%, 30-51%の範囲で認められた. また球状赤血球は必ずしもmicrospherocyteではなく, 大小さまざまなものが混在していた. カップ状赤血球の増加は著者らの3症例に特徴的な所見であろうと考えられた. 赤血球の走査電顕所見については小児科領域では極めて報告が少ない. 今後画像診断として小児の血液疾患に利用すべきものであろうと思われた.
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© 1984 順天堂医学会
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