順天堂医学
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特集 薬剤の適正使用―抗生物質を中心として
医療保険からみた諸問題
渡辺 一功
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1985 年 31 巻 4 号 p. 521-530

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抄録
近年は抗生物質をはじめとする抗菌剤の研究・開発は目覚ましいものがあり, 本邦でも世界各国が注目する新規の薬剤が開発されている. 本邦における細菌感染症に対する化学療法の普及率は世界第1位に属しているが, しかし, 化学療法の現況をみると, 化学療法が極めて安易に, また無計画に行われているきらいが多く, 反省すべき点のあることも事実であり, 抗菌剤の適切な選択と使用, 乱用には注意が必要である. 化学療法を医療保険の面からみると, 査定率は本学ではγ-グロブリン製剤に次いで多く, その理由として, 適応症, 有効菌種の問題, 用量, 用法の問題, 併用の問題, 術後感染予防における抗菌剤の投与の問題などが考えられてはいるが, 実際の臨床の立場との間にはいくつかの問題点があることも事実である. 今回は汎用されている抗菌剤を中心に医療保険の立場からみた問題点を指摘してみたい.
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© 1985 順天堂医学会
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