順天堂医学
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特集 救急医療
順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院の救命救急センター・新生児センターの現況
-静岡県東部地域の救急医療の中心機関として-
柴田 隆下地 武義菊池 貞徳
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1986 年 32 巻 1 号 p. 32-40

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抄録
順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院は, 昭和42年以来, 地域医療の中核病院として, 近代医療にふさわしい医療施設・設備の整備強化が計られ, 昭和60年4月に第V期整備の完成をみた. その間, 静岡県東部地域 (人口約110万人) の第3次医療機関としての救命救急センターが, 昭和56年9月に, 新生児センターが, 昭和57年4月に発足している. 救命救急センターは, 地域の救急医療の第3次医療機関であると同時に, われわれのような地域 (地方型) では, 第1次, あるいは第2次医療機関として救急医療にあたっていることが, 救急受診患者の動態から明らかになった. さらには, CCU入院例, 緊急手術例からは, 第3次医療機関としての応需体制も十分であったことも明らかであった. 新生児センターは, NICU・新生児救急車を備え新生児医療の地域化体制を確立すべく発足をした. 最近の2年間では, 地域で出生する極小・超未熟児の93.3%が入院しており, この点からは, 地域化がほぼ完成した. このような体制作りによる成果の1つとして, 地域の新生児死亡率の減少したことを示した. また, われわれの新生児センター・新生児救急車によるシステムの評価の1つとして, 極小・超未熟児の新生児期死亡比が, 非常に低値であったことを示した.
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© 1986 順天堂医学会
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