順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
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特集 分子免疫学の最近の進歩
TRF遺伝子のクローニング
木梨 達雄原田 登之EVA SEVERINSON田辺 利住PASCHALIS SIDERAS小西 幹夫東 千尋富永 明SUSANNE BERGSTEALT-LINDQVIST高橋 正純松田 文彦矢尾板 芳郎高津 聖志本庶 佑
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1986 年 32 巻 4 号 p. 435-441

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抄録
抗原刺激をうけたB細胞が抗体産生細胞にまで分化するには, T細胞やマクロファージの介助が必要とされている. この介助の中には細胞が分泌するリンホカインによるものがある. 従来そのようなリンホカインは, 機能的に増殖因子・分化因子に大別されている. 分化因子の一つT-cell replacing factor (TRF) は, 抗体分泌を誘導するリンホカインであるが, 同時に増殖活性も持つことが示唆されていた. TRFのこれらの生物活性を明らかにするため, TRF遺伝子のクローニングを行い, 遺伝子の単離に成功した. その結果, TRFはBCGF II活性も同時にもつことがわかり, 他の様々な生物活性も明らかになった. 以下, それについて述べてみたい.
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© 1986 順天堂医学会
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