順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
特集 画像診断の最近の進歩
Positron Emission CTでみた脳血管障害
上村 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 34 巻 4 号 p. 486-498

詳細
抄録
脳血管病変の形態学的画像診断は, 1972年のHaunsfieldによるX線CT (CT) の発明以後革命的に進歩し, 最近のMRIの改良と普及により, 技術的にはそれは究極に近い状態ともいえるまでに発展した. しかし, CTやMRIは機能的情報には乏しく, 脳血管障害の基本的病態である脳循環代謝などを把握する迄には至らない. Positron emission CT (PET) は, 放射性 (Positron) 標識トレーサーの臓器内濃度分布をin vivoで定量し, 脳循環代謝などの生理学的ないし生化学的情報を求め, 断層像として表示する技術であり, 臨床例の脳循環代謝病態をみるには現在最も優れた方法とされている. 本稿では, われわれが秋田脳研でPETでみた加齢による脳循環代謝の変化や, 脳梗塞と脳出血の病態1-4) について述べ, 梗塞発生の虚血閾値やEC/IC Bypass手術適応などについても考察する.
著者関連情報
© 1989 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top