抄録
小児の診療において, 発疹は重要な診断的糸口になりうる. 発疹は感染性疾患に伴って出現することが多いが, 発疹の出現機序は, 病原因子の皮膚への直接接種, 病原微生物の血行性播種など数種に分類できる. 感染性発疹の正確な診断のためには, 病歴の注意深い聴取は当然であるが, 発疹の性状や特徴をよく捕らえ, ある疾患特有の病徴の発見に努めるなど, いくつかのポイントがある. 診断の助けになると思われる発疹の性状別分類を示したが, 発疹は必ずしも疾患特有性を示さず, 同一の疾患でも, 病期や病勢によって異なる性状を呈することがあることを考慮する必要がある.