順天堂医学
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特集 脱毛性疾患の病態と治療
培養毛乳頭細胞
-形態学的特徴, アンドロゲン受容体の局在, 上皮細胞遊走因子について-
勝岡 憲生
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1992 年 37 巻 4 号 p. 557-565

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抄録

毛乳頭は毛の発生と成長に重要な役割を果たし, 細胞分裂の活発な毛母細胞の代謝を支持する. 毛組織において毛乳頭が不可欠な構成要素であることは, 一連の移植実験により実証されている. 筆者は毛乳頭細胞の性格を明らかにする目的で, 毛乳頭をin vitroで培養し, 培養毛乳頭細胞についてその形態・動態, collagen synthesisなどを検討した. さらにdihydrotestosterone peroxidase conjugateを用いたcytochemical staining法により, 毛乳頭細胞の核にandrogen receptorの局在を見い出した. また毛乳頭と上皮細胞との相互作用を知る上で, 毛乳頭細胞由来の上皮細胞遊走因子についての検討を行った. その結果から, 毛乳頭細胞が未熟な上皮細胞を誘導する因子を産生することが示唆された.

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© 1992 順天堂医学会
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