順天堂医学
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特集 癌性疼痛管理
麻薬管理
岩崎 保治
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1992 年 38 巻 1 号 p. 52-55

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抄録

平成2年6月麻薬取締法の一部が改正され, 麻薬および向精神薬取締法となった. この改正により向精神薬の規制が新たに設けられると共に, 医療機関における麻薬製剤の管理の煩雑さが幾分解消された. WHOから癌患者を痛みから解放するためにの治療薬として, 強い痛みに対するモルヒネ等の医療麻薬の使用が提示され, モルヒネ製剤の使用が増加したが, 麻薬であるがための取り扱いの煩雑さがあり, 積極的な使用を控える医師もあったので, 幾分管理を改正して癌患者の疼痛管理の促進を図るためとも言われている. しかし, あくまでも麻薬としての管理は実施しなければならないので, 麻薬施用者として管理上の要点を記載し, 麻薬施用者としての医師の方々の管理上の参考にしたい. 近年麻薬の剤形も, 徐放性の硫酸モルヒネ錠 (MSコンチン錠) や, 今年11月から塩酸モルヒネ坐薬 (アンペック) も発売され, 在宅患者の疼痛管理のため, 外来処方で麻薬の増加が予想されるが, その性質上, 死亡あるいは中止等の場合により残薬が出る事が多いので, 処方箋交付時には慎重な服用指導をして, 残薬を他人が利用することのないよう呉々も注意が必要である.

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© 1992 順天堂医学会
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