順天堂医学
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特集 癌性疼痛管理
癌性疼痛管理
-看護の立場から-
本間 ヨシミ
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1992 年 38 巻 1 号 p. 48-51

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抄録

1990年1月1日より12月31日までの1年間に, 癌で死亡した277例の患者の痛みの有無, その状況, その治療結果などについて, 看護記録などを参照したアンケート調査を行った. アンケート送付先は本院の15病棟の看護セクションであり, 回収率は96%であった. その結果, 277例のうち痛みを有していたのは144例, 52.0%であり, 一般に云われている末期癌患者の有痛率よりは低値であることが分かったが, これは年度内に本院で死亡した患者についてのみの結果であり, 癌患者の真の有痛率を示すものではないと考えられた. 一般的に癌性終痛に用いられる鎮痛法が使用されていたが, その効果は十分であったとは云えず, 系統だった段階的な鎮痛法の施行が望まれる結果であった. また, 精神的援助をも踏まえた治療法の確立が必要であるとの印象を強く受けた.

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© 1992 順天堂医学会
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