順天堂医学
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原著
陥凹性早期胃癌の癌巣内潰瘍がリンパ節転移に及ぼす影響に関する臨床病理学的研究
中津 基貴
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1993 年 39 巻 2 号 p. 200-208

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抄録

早期胃癌に縮小手術を行うにあたって, リンパ節転移が問題になる. 陥凹性早期胃癌において, 癌巣内潰瘍がどのようにリンパ節転移に影響を及ぼしているかを解明する目的で, 陥凹性早期胃癌283例を対象として, 癌巣内潰瘍および潰瘍瘢痕を村上の分類に準じUI (-) ・UI-II・UI一III・UI-IVとし, 粘膜下層浸潤様式を, 微量・散在・びまん・圧壊に分け臨床病理学的に検討した. 粘膜内癌にリンパ節転移はなかった. 癌巣長径が1.0cm未満の小さな癌にもリンパ節転移はなく, 1.0cm以上2.0cm未満の比較的小さな癌のリンパ節転移は癌巣内潰瘍併存例のみにあり, 5.0cm以上ではUI-IIIで45.5%, UI-IVで50.0%と高いリンパ節転移率であった. リンパ管侵襲陰性でも, 癌巣内潰瘍併存例ではリンパ節転移があった. 微量・散在浸潤でも癌巣内潰瘍併存例ではリンパ節転移があり, UI-III・UI-IVでは高いリンパ節転移率であった. UI-IIIのびまん, UI-IVの散在・びまんでは全例にリンパ節転移があった.

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© 1993 順天堂医学会
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