順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
特集 肝疾患の治療―最近の進歩
C型ウイルス性肝炎の治療
-インターフェロン療法の実際-
飯島 敏彦金子 和弘
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 40 巻 1 号 p. 2-10

詳細
抄録

C型肝炎ウイルス遺伝子の発見と診断系の確立によってC型ウイルス性肝炎の治療が可能となった. 根治的治療法としてのインターフェロン (IFN) 療法を, C型慢性活動性肝炎60例で行い, その有用性を検討した. IFN療法による平均GPT値の推移では, IFN投与開始後4週目で低下する. 投与終了後一過性に上昇し, 12週目をピークに再び低下する傾向を示した. 投与終了後24週目でのIFN療法の効果を評価すると, 33例中18例 (54.5%) で著明改善を得た. しかし, HCV-RNAも陰性化した者は81.8%であり, 残りの症例から肝炎の再燃の可能性を残した. 治療効果に影響をおよぼす要因として, 肝組織・Genotype・ウイルス量の面から検討するとウイルス量の多寡が第一の要因と考えられた. C型急性肝炎に対するIFN療法は絶対的適応であり, その診断と治療の実際について, 症例を呈示した.

著者関連情報
© 1994 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top