抄録
膠原病は多くの疾患を含む疾患群であり, 多臓器病変を示すが, 疾患によって病変を起こす臓器に特異性がある他, 同一疾患でもその病態は多様である. 治療法もそれぞれの病態により適切な方法を選ばなければならない.
このような膠原病の病因は不明であるが, 膠原病の研究は基礎医学と臨床医学の大きい接点を理解することによって初めて可能となる.
膠原病内科学講座の研究は, 単に膠原病に限られることなく, 幅広く免疫学・病理学・生化学, その他のすべての基礎医学および, 殆どすべての診療科との共同研究によって初めて可能となるものであり, 臨床と基礎との融合により行われるものである. 本文は3月23日の退職記念講演と3月4日の最終講義とをまとめたものである. 創造の世界への, 私の順天堂における10年間の道を示したつもりである.
