順天堂医学
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原著
中国上海市における3歳児の生活習慣と肥満の現状
叶 芳芳汪 玲許 鳴武藤 孝司
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キーワード: 3歳児, 生活習慣, 肥満度
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1996 年 42 巻 3 号 p. 378-386

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抄録

小児期からの成人病予防に関する研究の一環として, 中国上海市内に在住する1990年6月1日-1991年5月31日生まれの託児所に通う3歳児1,007名を対象に, 前向きコホート調査の初回調査を実施した. 本調査の結果, 1,007名3歳児の平均身長は98.6±4.5 (cm) で, 平均体重は15.0±1.8 (kg) であった. 3歳児の肥満度と父または母のBMI (Body Mass Index) との間の相関係数は, それぞれ0.16・0.15であり, 統計的には有意であったが, 相関係数の値としては小さかった. 幼児の食事時間が決っているもの1002名 (99.5%), 睡眠時間は10時間以上685名 (68%), 排便1日に1回742名 (73.7%), また排便時間が決っているもの963名 (95.6%) などの生活習慣はおおむね良好であった. 食習慣と肥満との関連では, 牛乳・乳製品の摂取が多いほど肥満度が高い傾向が認められ, 幼児の肥満には生活習慣が影響を与えると考えられた.

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© 1996 順天堂医学会
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