順天堂医学
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原著
総合病院の救急外来における無床精神科の機能と役割
-順天堂大学浦安病院救急外来を受診した症例の検討から-
辻 昌宏江渡 江高木 一郎一宮 洋介
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1998 年 44 巻 1 号 p. 47-53

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抄録
目的: 総合病院無床精神科における精神科救急の機能と役割を検討した. 対象: 順天堂大学浦安病院における1996年度の救急外来受診患者全体を対象とした. 方法: 救急外来受診患者のうち精神科疾患が関連したと思われる患者を抽出し, その臨床統計をまとめた. 結果: 精神科関連疾患患者は, 総合病院有床精神科と同程度みられた. 中でも当科通院中でない患者が多いことから, 当院の地域基幹病院としての役割が示された. 疾患は神経症圏が多かった. 対応科は精神科よりも内科などの他科が多く, 当科の救急医療は他科の協力の下に行われていることが明らかとなった. また, 地域医療ネットワークの整備, 院内の精神科医療の啓蒙活動が今後の検討課題である. 結論: 今後, 総合病院無床精神科における救急の需要は増大することが予想され, 当科が精神科救急の一端を担うための今後の課題が明らかとなった.
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© 1998 順天堂医学会
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