順天堂医学
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原著
〈落ちこぼれ〉学生の把握と早期発見の試み
岡田 隆夫アレン ブルース檀原 高
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2001 年 47 巻 3 号 p. 349-356

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抄録
目的: 医学部を卒業しても医師国家試験に不合格となる, 特に成績の不良な学生をできるだけ早い段階で特定する方法を模索した. 対象と方法: 平成7年度から12年度までの6年間の6年生の卒業試験成績, および彼等の各学年での席次を調査した. また, 彼等の所属クラブも参考にした. 結果: 卒業試験における得点と席次との関係から卒業延期または医師国家試験に不合格となる確率が極めて高い (60-80%) 学生を特定することができた. 彼等の各学年における成績を遡及的に調べた結果, 彼等には臨床医学の知識よりも基礎医学の知識が不足している傾向が強く, BSLにおける自学自習のためには基礎医学の知識が重要であることが示唆された. 基礎医学と臨床医学の成績を総合して将来落ちこぼれる可能性の高い学生をピックアップする基準を設定した. 結論: 上記基準を用いることにより約80%の落ちこぼれ学生を4年生終了時点で捉えることができる可能性が示唆された.
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© 2001 順天堂医学会
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