抄録
目的: 正常眼圧緑内障 (NTG) の網膜神経線維層厚 (NFLT) をNerve fiber analyzer GDxTMを使用して解析し, 視野障害の程度との関連につき検討した.
対象と方法: 正常眼圧緑内障患者69例69眼に対しGDxTMでNFLTを解析した. 視野障害の程度はHumphrey自動視野計におけるmean deviation (MD) 値と, Aulhorn分類Greve変法による病期分類により行った. 検討項目は1) 14のパラメーターにおいて得られた値と, MD値との相関を検討した. 2) 病期との関連につき, Aulhorn分類Greve変法を用いて病期分類し, 14のパラメーターにおいて多重比較を行った. 3) 1) で有意な相関を示した12のパラメーターを用いて重回帰分析を行った.
結果: 1) 12のパラメーターで視野障害の進行に伴い有意な相関を認めた. 2) Superior ratio・Inferior ratio・Max. modulationにおいて0期と比し, III-VI期で有意に減少していた. 3) 得られた重回帰式は有意 (P<0.01) で, 決定係数は70.9%であった.
結論: GDxTMにより測定されたパラメーターにより, NTGの視野障害の程度を70.9%の確立で予測できる可能性が示唆された.