抄録
目的: 1999年に本邦で分離されたMRSA138株の各種抗菌剤に対する感受性を測定するとともに, メチシリン耐性を規定する動く遺伝因子であるSCCmecのタイプと接合プラスミドの分布を検討した.
材料と方法: 供試菌株としては全国の14の大学病院から分与いただいたMRSA138株を使用した. MIC測定はNCCLS法に準じた寒天平板法で行った. 耐性遺伝子の検出とSCCmecのタイピングにはPCR法を用いた. また多剤耐性の伝達に関与する接合プラスミドの存在を伝達実験を行って確認した.
結果・結論: MIC測定の結果はβ-ラクタム薬に高度耐性を示し, テトラサイクリン系薬・マクロライド系薬・アルベカシン以外のアミノ系配糖体系薬・キノロン系薬に耐性であった. SCCmecのタイプを調べた所, 138株のMRSAの126株 (91%) はtype-II SCCmecを持ち, type-I SCCmecおよびtype-IV SCCmecを持つ株は, それぞれ1株および6株であった. type-III SCCmecを持つ株は存在せず, いずれのタイプにも分類できない株が5株であった. また138株中13株 (9.4%) に接合プラスミドの存在が確認された.