抄録
高齢者, 基礎疾患を有する人はインフルエンザのハイリスクグループとされる. これらの人はインフルエンザ感染の影響が大きく注意が必要である. ワクチン接種による予防が大切であり, 予防接種法により一部公費負担で受けられる. 基礎疾患や定期内服薬によりワクチン接種が禁忌になることはない. 老人の場合, インフルエンザウイルスそのものではなく, インフルエンザ感染後に細菌性肺炎により死亡することが多い. このため, インフルエンザワクチンのみでなく, 肺炎球菌ワクチンの接種も大切である. 生後6ヵ月までの乳児にはインフルエンザワクチンの使用が許可されていない. 幼児に対してはワクチンが予防の基本であり, 妊婦にも積極的にワクチン接種をするべきだという意見が多い.