順天堂医学
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原著
大腸癌における末梢血中遊離癌細胞の検出とその臨床的意義
新村 光司, 菅野 雅彦, 石井 (堤) 裕子, 坂本 一博, 長岡 功, 鎌野 俊紀
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2006 年 52 巻 3 号 p. 406-414

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抄録
目的: 大腸癌症例において末梢血液中の遊離癌細胞をreal-time reverse transcriptase-polymerase chain reaction (real-time RT-PCR) 法で検出し, その臨床的意義を検討した. 対象: 2003年8月から2004年8月までに, 当科で開腹または腹腔鏡的切除術を行なった大腸癌59例. 方法: 大腸癌患者より術前, 術中, 術直後, 術後1日, 術後7日の末梢血ならびに腫瘍還流静脈血を採取しtotal RNAを調製した. このtotal RNAを鋳型とし, carcinoembryonic antigen (CEA) に特異的なプライマーを用いてreal-time RT-PCRを行い血中のCEA mRNAを定量した. この方法によって, 自血球106個あたり癌細胞1個が検出できた. また, 切除腫瘍から連続切片を作成し, 特異的抗体を用いてCEAを免疫染色した. 結果: 術前末梢血液中のCEA mRNAの陽性率は3.4% (2例) と非常に低く, 術前血清CEA値と相関は認められなかった. 一方, 術中から血液中のCEA mRNA陽性率が有意に上昇したが, 術後7日には全て陰性化した. また, 術中・術後の血液中CEA mRNA陽性率と臨床病理学的因子の相関を解析したところ, 進行病期, 壁深達度およびリンパ節転移について正の相関を示す傾向が見られた. さらに, 術前血清CEA陽性例について血液中のCEA mRNAおよび術後血清CEAの陽性例は死亡率が高率となる傾向が示唆された. 結論: 以上のことより, 周術期において末梢血や腫瘍還流静脈の血液でCEA mRNAの発現をreal-time RT-PCR法を用いて評価することは遊離癌細胞の検出と転移予測の補助手段になりうると考えられた.
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© 2006 順天堂医学会
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