順天堂医学
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総説
MSCT : 中枢神経系への応用
中西 淳
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2007 年 53 巻 1 号 p. 47-53

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抄録
マルチスライスCT (MSCT) は検出器を多列化することで, 従来のヘリカルCTと比べ数倍の速度で撮影を可能とし, 同時に高速撮影で高分解能CTによる画像表示が実現された. このMSCTによる高速撮影は小児例, 救急症例をはじめあらゆる状況でのCT検査を可能とし, 患者の苦痛緩和, 負担軽減をもたらしている. また, 1回呼吸停止下での高速撮影は広い範囲の撮影を可能とし, 体軸方向の分解能を向上させ, 三次元画像, 再構成画像multiplanar reconstruction (MPR) の画質を向上させた. この高分解能画質は画像診断を専門にしている放射線科医だけではなく, 全ての医師さらに患者自身にとって, 画像を通じて人体の解剖学的形態把握を容易にした. 高速撮影は時間分解能の向上にも貢献し, 心臓同期撮像における高分解能画質, 多時相撮影の実現, 造影剤の減量などをもたらした. 最近では脳動静脈奇形など時系列を含む4D-CTAが臨床応用されているが, 心臓同期撮像などに用いる薬剤負荷による前処置の危険性, 多時相撮影における患者への医療被曝増大, 造影剤注入後の撮像タイミングの画一化, 撮像された大量データの処理, 保存, 利用など残された課題もある. スクリーニング検査から4D-CTAにおける精査まで, MSCTの利用法は多岐にわたり, 放射線科医はその有益性を最大限に発揮させる能力を修得し, 患者や各科臨床医に還元する能力も持ち合わせていることを付け加えたい.
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© 2007 順天堂医学会
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