順天堂医学
Online ISSN : 2188-2134
Print ISSN : 0022-6769
ISSN-L : 0022-6769
特集 食道癌治療の最前線
食道癌外科治療の現況
-3領域リンパ節郭清手術の生存解析から-
梶山 美明岩沼 佳見富田 夏実天野 高行諫山 冬美酒井 康孝大内 一智内田 陽介高山 敏夫櫛田 知志折田 創橋本 貴史伊藤 智彰橋口 忠典那須 元美斎田 将之高木 麻子森 貴之鶴丸 昌彦
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 53 巻 4 号 p. 542-551

詳細
抄録
悪性度の高い食道癌に対してリンパ節郭清の徹底化を図るためにわが国で3領域リンパ節郭清手術が完成された. 他の消化器癌手術に比べ難易度や侵襲度の高い本手術の適応と限界を, 生存解析から明らかにすることが本研究の目的である. 食道癌に対する3領域リンパ節郭清手術後の生存解析の結果から, その治療成績は必ずしも均霑化されておらず, 施設間格差が存在すると考えられる. また, 3領域リンパ節郭清手術の郭清効果が十分に期待できるのは転移個数が5個以下の症例であり, 厳格な3領域リンパ節郭清手術を施行することによって, 局所進行食道癌に対して60%前後の5年生存率が期待でき, この生存率は根治化学放射線治療の成績よりも良好であった. 一方リンパ節転移個数は食道癌の最も強力な予後因子であり, 転移個数が6個以上になると予後は急激に低下するためリンパ節多数転移例に対しては今後新たな全身治療法の開発が必須であると考えられる.
著者関連情報
© 2007 順天堂医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top