順天堂医学
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原著
回復期リハビリテーション病棟における脳卒中患者の自宅退院に関する因子の検討
-脳卒中1,505例の多変量解析による病型別検討-
井上 智貴山路 義生石川 誠丸井 英二
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2011 年 57 巻 3 号 p. 257-262

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抄録
当院の回復期リハを実施した脳卒中1,505例において, 自宅退院群と非自宅退院群に分類し, 自宅退院の有無を結果変数, 年齢, 性別, 入院期間, 発症から回復期リハ開始までの移行期間, 入退院時FIM (Functional Independence Measure) を目的変数としてロジスティック回帰分析を行った. 次に脳卒中病型別 (脳梗塞, 脳出血, クモ膜下出血) にそれぞれ, 結果変数, 目的変数は同様の解析を行った. 全症例では自宅退院へかかわる因子として移行期間, 退院時FIM, 年齢が抽出された. 脳卒中病型により自宅退院率に差はなく, 脳梗塞では性別 (男性), 退院時FIM, 移行期間, 退院時FIM, 脳出血では移行期間, 退院時FIM, クモ膜下出血では退院時FIMが抽出された. 全病型では若年であり, 退院時FIMが高く, 移行期間が短期であるほど, 自宅退院へ結びついている. 脳梗塞と脳出血において移行期間が短く, 退院時FIM高値であるほど自宅退院する. 脳梗塞のみ性別 (男性) が抽出された.
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© 2011 順天堂医学会
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