順天堂医学
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特集 第327回順天堂医学会学術集会
在宅医療AからZ
石垣 泰則
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2012 年 58 巻 4 号 p. 303-310

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抄録
2011年3月11日の東日本大震災は, 私たちの生活感を根本的に覆す未曾有の大災害であった. わずかに生き残った病院に患者は集中し, 被災地の医療体制は崩壊した. 緊急を要する患者は被災地を離れ, 全国の医療機関に移送された. しかし, 多くの慢性疾患の患者や高齢者は被災地に残されたまま生活を送らなければならなかった. やがて, 全国各地からボランティアが集結し, 被災者の援助にあたる者も次第に増えていった. 中には病院機能の回復のために尽力し, 中には自宅や避難所に赴き, 生活の現場において医療を担った者もいた. 在宅医療はクライシスの中においても力を発揮できる医療である. 本稿は, 在宅医療の基礎から応用までを簡潔に解説する. そして, 在宅医療の本質を理解するための一助となることを願ってやまない.
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© 2012 順天堂医学会
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