人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第21回 (2007)
セッションID: 2H5-2
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意味構造を持つ引用に基づく自動情報編纂
*長尾 確梶 克彦
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抄録

一般に、情報の意味的な統合は機械的に行うことはできない。しかし、人間ならば日常的にそのようなことができる。その典型例は、主にオンライン文書のテキスト情報の引用である。引用は人間が意味を考慮して情報間の関係付けをする作業だと考えられる。引用は、多くの場合、コピー&ペーストで行われることが多いが、その場合は引用元と引用先の関係を自動的に解析するのが困難である。そこで、われわれは任意のデジタルコンテンツの部分引用をメタレベルで扱う仕組みを開発した。それは、コンテンツに内部構造を付加し、その要素へのアクセス手段を提供するものである。この場合のコンテンツはテキストの他に、イメージやサウンドやビデオを含む。ユーザーはこのメタレベルの処理を特に意識することなく、永続化され共有されたコンテンツの部分要素を容易に自分のコンテンツ内で利用することができる。同時に、引用・被引用の双方向リンクが自動的に設定される。この仕組みによって、コンテンツ間の意味的な関係が蓄積される。この蓄積された、コンテンツ間の意味的リンクを用いて、自動的な情報編纂を実現することができる。これは、引用のリンクを手がかりにして、複数コンテンツを自動的に統合し、一つのコンテンツとしてまとめあげる作業である。

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© 2007 一般社団法人 人工知能学会
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