抄録
東京大学-柏市・民産官学連携研究拠点ほのぼの研究所では、認知症予防を支援する「ふれあい共想法」プログラムを市民が主体となって実施するための手法を開発している。共想法は、複数の参加者による会話を通じて認知機能を向上させる新手法である。柏市を通じて地域高齢者参加希望者を募集し、実施に当たっては、一部認知症予備軍を含む、参加者夫々の実情を勘案し組み合わせを行い、参加者デ-タの記録、分析評価をすると共に、実体験を通じて実施者の養成を図ってきた。又、歌、笑い、詠む、食べるなどの新しいテーマでの共想法を試行し、本手法の内容の充実を図ってきた。本稿では、開発した実施手法と、実施を通じ得られた知見を報告する。