主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2019年度人工知能学会全国大会(第33回)
回次: 33
開催地: 新潟県新潟市 朱鷺メッセ
開催日: 2019/06/04 - 2019/06/07
目の前に自分の好物のリンゴがある.するとそれは美味しそうだと感じる.そうした感覚,感情が生じると同時に,私た ちには「美味しそうなリンゴがある」という認識が生じる.つまり推論の結果生まれた「美味しそう」という情報は,単に感 じられる,そう考えたという,心の中の出来事だけでなく,「ある」という形で世界に実在するものとなっている. この(感じた,考えた)→(ある,存在する)という関係はいかにして確立されるのだろうか. この疑問にアプローチするためには,内的(脳内,情報処理システム内)に構成された表象を世界と結びつける心の働きが必要となる. 本報告では,この心の働きをプロジェクションと名付け,その研究の必要性について述べる.次に,プロジェクションがいかなる計算過程を経てなされるのかを,生成モデル,大森の「重ね描き」,予測符号化理論をベースにして考察する.