主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
芸術情報のデータ活用は,社会的,文化的,経済的発展の大きな可能性を秘めている.本研究の目的は,データ分析をデータ活用方法のひとつと捉え,日本の芸術関連研究ではあまり扱われてこなかった作品や芸術家の属性情報等を用いた数値データの活用可能性に着目し,実際に指標データを作成して分析を試みることで,芸術関連データの公開と活用が新たな社会的価値を創出可能であることを明らかにすることである.本発表では,4730人の作家データから著名とされる洋画家248人を対象に,アートオークションの作品取引情報,Webから収集した各作家の関連情報等,いくつかの属性情報を指標データに用いてクラスタリングを行い,集団の関係可視化と高い評価を得ているとされる作家の特徴要素の抽出を試みた.その結果,芸術家の評価につながる要素には「アート市場で作品が流通し,作品取引の実績があること」「多様な出身校の作家や各種美術団体,作家間のつながりが多いこと」「芸術家として経験を積んでおり,ある程度の年齢であること」「Webに作家名や作品に関する情報の露出が多いこと」であることがわかった.