人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第34回 (2020)
選択された号の論文の892件中1~50を表示しています
  • 森川 幸治, 木村 昭悟, 片上 大輔
    p. 1-6
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    第34回全国大会巻頭言ならびに大会委員リスト
  • 久保 遼馬, 藤田 拓也, 宇津呂 武仁, 小林 彰夫, 西崎 博光, 河田 容英
    セッションID: 1B5-GS-6-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本論文では,テレビドラマ視聴者がドラマ視聴後にウェブ上で行うドラマ関連関心動向・感想・レビュー類の情報探索過程を支援することを目的として,ブログ・ドラマ関連サイト・ツイッター等のウェブページからの情報収集・集約を行うウェブマイニング技術を提案する.本論文では,特に,テレビドラマ視聴者がドラマ放送期間中に,ツイッター上で行うドラマ関連の関心・感想の情報探索支援を行うことを目的とし,ツイートの収集・集約を行う手法を提案する.具体的には,ドラマに出演する主要な俳優や登場人物名を表すキーワード,および,それらのキーワードに対する感想を表す形容詞が共起するツイートを収集し,BERTを用いて,それらのキーワードと形容詞の間の感想関係の有無の判定を行う.実際に数百事例を収集し,人手で感想関係の有無を判定した訓練・評価事例を作成し,BERTのfine-tuningおよび評価を行ったところ,約70-80%の精度で感想関係の有無を同定することができた.

  • 蕭 喬仁, 大知 正直, 長濱 憲, 榊 剛史, 森 純一郎, 阪井 完二, 坂田 一郎
    セッションID: 1B5-GS-6-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年、大衆が問題を発見しそれが拡散されることで社会問題として新たに認識される「情報拡散型社会問題」が急増している。情報拡散型社会問題は、従来の情報公開型社会問題と異なり、問題による悪影響が急速に拡大するため早期に認知・対策することが重要である。しかし、情報拡散型社会問題の早期抽出には従来の社会問題抽出手法は適用できず、問題にまつわる単語の同定も困難である。そこで本研究では情報拡散型社会問題の早期抽出のためにTwitterからクレイム申し立て活動を抽出・分析する構築主義的アプローチを提案する。まずツイートがクレイム申し立て活動か否かの教師データを用意し、それらを判別するモデルを作成する。次に、クレイム申し立てを行ったユーザーの情報と通時的分散表現による単語とクレイム申し立て活動の距離を測ることで、社会問題に関連する単語を教師データ無しに抽出する手法を提案する。17億件に及ぶTwitterデータを用いた実験では、提案手法が2019年中に発生した10の情報拡散型社会問題の事例のうち6つの事例をテレビ放映より早く抽出し、NHKの初放映日に対しては平均20.5日前の早期抽出できることを確認した。

  • 嘉村 哲郎, 武田 英明
    セッションID: 1B5-GS-6-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    芸術情報のデータ活用は,社会的,文化的,経済的発展の大きな可能性を秘めている.本研究の目的は,データ分析をデータ活用方法のひとつと捉え,日本の芸術関連研究ではあまり扱われてこなかった作品や芸術家の属性情報等を用いた数値データの活用可能性に着目し,実際に指標データを作成して分析を試みることで,芸術関連データの公開と活用が新たな社会的価値を創出可能であることを明らかにすることである.本発表では,4730人の作家データから著名とされる洋画家248人を対象に,アートオークションの作品取引情報,Webから収集した各作家の関連情報等,いくつかの属性情報を指標データに用いてクラスタリングを行い,集団の関係可視化と高い評価を得ているとされる作家の特徴要素の抽出を試みた.その結果,芸術家の評価につながる要素には「アート市場で作品が流通し,作品取引の実績があること」「多様な出身校の作家や各種美術団体,作家間のつながりが多いこと」「芸術家として経験を積んでおり,ある程度の年齢であること」「Webに作家名や作品に関する情報の露出が多いこと」であることがわかった.

  • Jawad HAQBEEN, Takayuki ITO, Rafik HADFI, Sofia SAHAB, Tomohiro NISHID ...
    セッションID: 1C3-OS-6a-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    Our paper is especially focused on the international experiment transfer of D-Agree usage and application for wicked city problems of fragile and conflict-affected city like Kabul. The content includes the background, process and formalization of the collaboration and reports on the outline of the Societal experiment of D-Agree in selected district of Kabul Municipality, and outcome-based content analysis of the Kabul experiment compare to Nagoya experiment case. It also mentions the implications of international differences (Nagoya-Kabul) in social systems highlighted from the episodes of the debriefing discussion conducted through utilizing D-Agree.The final objective of our study is to evaluate facilitation of citizens discussion regarding access to city meeting in order to solve urban renewal problems, and evaluate AI-based facilitation of system. Method. Our action research is based on the soft system methodology of Checkland et al. and applies the gaming exercise. We conducted an action research regarding the implementation AI-based facilitation city-citizens discussion within the context of NITech-KM international collaboration by utilizing D-agree and reported its progress.

  • 高齢者運転免許返納制度をテーマとした統制実験
    辰巳 智行, 中澤 高師, 福田 直樹, 吉田 寛, 青木 美奈, 加藤 史也, 中島 大晴, 山口 七海
    セッションID: 1C3-OS-6a-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本論は,オンライン議論においてファシリテーターが果たす役割を検討するとともに,自動ファシリテーションの可能性を示す論文である. 目的は,同じテーマを議論した際に,ファシリテーターの有無,そのファシリテーターが人間か,人工知能技術を応用した自動ファシリテーションなのかによって,議論にどのような違いが生じるかを明らかにすることである. そこで「高齢者の運転免許返納制度」をテーマに,大学生118人を無作為に6つのグループに振り分け,グループごとにオンライン議論実験を実施した.議論は,自動ファシリテーション技術を導入したオンライン議論支援システム“D-Agree”を用いた.ファシリテーションを行わない2群,人間がファシリテーションを行う2群,IBIS構造を利用した自動ファシリテーションを行う2群にわけ議論内容を分析するとともに,議論の前後に実験参加者にアンケートを実施して,参加者の意見や態度の変容を捉えた. 結果は,自動ファシリテーションは,テーマと無関係のコメントをフォローするなど課題も見られたが,人間ファシリテーターでは処理できない議論の流れの速いタイミングでも対応できたことが確認された.

  • 神谷 晃, 長谷川 徳賢, 白松 俊
    セッションID: 1C3-OS-6a-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,日本では持続可能性を脅かす様々な社会課題が増加している.このような社会課題に対応するためには,その地域の行政だけではなく市民・民間のリソースを取り込むことは必要不可欠である.そして市民・民間の人に社会課題に取り組んでもらうためには,社会課題に関する情報をWeb記事から自動で収集・提供する必要がある.本論文では,その目的のために2つの手法について述べる.まず,Web上の社会問題記事の自動タグ付けシステムについて述べる.我々は,自動でタグ付けを行うために日本語のwikipediaのデータで事前学習を行ったBERTモデルを使用し,各Web記事を社会問題に分類する手法を提案する.次にWeb上から抽出した社会問題に関連する事例をWeb上から抽出する手法について述べる.まず,Web Annotation Data Modelを使用した社会問題に関連する事例のコーパスの設計と開発を行う.その後,そのコーパスを学習データとし,Web記事中から社会問題の関連事例を抽出を行う手法を提案する.

  • 樋田 愛, 伊加田 恵志
    セッションID: 1C3-OS-6a-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    トラック輸送業界では,貨物量増加や人手不足などの問題から,限られたリソースでより多くの貨物を運ぶ高効率輸送の実現が喫緊の課題となっている.そこで本稿では,ロジスティクス会社・運送会社・物流需要家などが参加する電子的なマーケットにおいて,複数事業者横断で輸送効率を向上させる方式を提案する.このマーケットは,上記の様な意思決定主体をプレイヤーとし,彼らへの提案・交渉を通してプレイヤー間の協調行動を促すことにより,各社が個別に最適化した輸配送よりも社会的効用の高い輸配送を実現するマルチエージェントシステムと考えられる.我々の方式では,協力ゲームの手法を用いて,与えられた複数事業者の輸配送計画セットから,マージ(混載)する計画の最適な組み合わせを求める.また、この計画に関係するプレイヤーとの複数論点交渉によって,マージして生成される新しい計画の条件調整・合意形成を図る.これらの処理の反復を通して,関係プレイヤーが合意可能で,より輸送効率の良い輸送計画を求めることができると考えている.

  • 福田 直樹
    セッションID: 1C3-OS-6a-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    これまでに,合意形成過程の再利用に基づくLOD技術による議論過程検索提示機構の設計,合意形成過程の蓄積・知識化のためのLOD技術に基づく議論過程クラウドの設計,および,LOD技術に基づく分野横断型議論過程検索機構の設計と課題について述べてきた.本稿では,それらを受けた,合意形成過程の蓄積・知識化のためのオントロジー推論に基づく分野横断型議論過程検索に向けての取り組みとその現状について,機構設計および,その計算上および実データへの適用可能性の確保における課題の観点から述べる.

  • 益井 博史, 中林 一貴, 谷口 忠大
    セッションID: 1C4-OS-6b-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    コミュニケーション場のメカニズムデザインとは,ディスカッション,ディベート,会議,そして相談を行うグループを間接的に制御するために,ルールやインセンティブを含んだ話し合いの制度を設計することである.コミュニケーション場のメカニズムは,実際のコミュニケーションに制約を課すと考えられる.それらの制約は,人工知能に基づく技術の発展に有益であると仮定した.この論文では,自動音声認識システムと発話権取引を例として取り上げて、この概念を評価する.実験により,発話権取引を導入すると、音声認識のパフォーマンスが向上することがわかった.

  • 山口 直子, 伊藤 孝行
    セッションID: 1C4-OS-6b-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    我々は,エージェント技術を用いた大規模合意形成支援システムの創成に関する研究を行っており,自動ファシリテーションエージェント機能を備えるプロトタイプシステムD-Agreeを開発した.本研究は,D-Agreeの実応用の検証を目的とし,D-Agreeを利用した国際会議(PRIMA2019)内ワークショップ(AgentCrowd2019)の設計とその結果について論じる.今回の実験フィールドのワークショップのテーマは「エージェントによる群衆の意思決定」,開催の趣旨は,参加者の集合的対話により,テーマについて知識を共有,研鑽し未来を共創することであった.D-Agreeは「エージェントと群衆の未来予測」議論の場で利用し,エージェント技術の実応用についてブレインストーミング形式で参加者より意見の収集を行った.そしてD-Agreeで収集した意見を基に,対面式議論で意見の収束を行い,議論の部における成果物として,エージェントと群衆の未来予測ロードマップを作成した.本実験の結果として,議論ログの分析,及び,ロードマップの内容分析の結果を示す.

  • Ryuta ARISAKA, Takayuki ITO
    セッションID: 1C4-OS-6b-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    There is an increasing interest in formally modelling many-person-argumentation. Multi-agent argumentation is an active research field within formal argumentation that studies the topic. In this work, we illustrate research challenges of multi-agent argumentation, particularly of that with 3 and more participants, which, compared to 2< scenarios, has not been widely studied. We highlight the recent progress.

  • 太田 鴻志, 藤原 幸一, 稲津 尚, 山川 俊貴, 久保 孝富
    セッションID: 1C5-GS-13-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    熱中症は暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称である.毎年注意喚起がされている反面,多数の人が熱中症により救急搬送されており,個人に対し症状が悪化する前に適切な休息などを促すことができれば,搬送者数を減らすことができると考える.熱による身体負荷が心拍変動(HRV)に影響を与えることが分かっているため,HRVをモニタすることで熱中症発症を検知できると考えられる.しかし,熱中症はいつどこで発症するかわからないため,熱中症発症前後のHRVデータを集めるのは困難という問題があった.本研究では,熱中症検知モデル構築に熱中症発症時HRVデータを必要とせず,健常時データのみから異常検知モデルを構築できる多変量統計的プロセス管理(MSPC)を用いて,熱中症検知モデルを開発した.2018年から2019年にかけて,製鉄所の中でも暑熱環境で勤務する作業員30名より合計1024時間のHRVデータを収集し,自己申告による熱中症症状は軽微なものを含めて合計47回報告された.熱中症検知モデルを構築した結果,その性能はAUC=0.98であった.本研究では,HRVを用いた熱中症検知の可能性を示した.

  • 花井 俊哉, 加藤 昇平, 坂口 巧一, 佐久間 拓人, 大嶽 れい子, 桝田 道人, 渡辺 宏久
    セッションID: 1C5-GS-13-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,日本をはじめとした先進諸国は超高齢化を迎え,さらなる認知症患者の増加が問題視されている.認知症は基礎疾患によって症状や治療方法が異なるため,疾患を正しく診断することが重要である.しかし,非専門医による臨床診断が困難とされている疾患も存在し,前頭側頭葉変性症(FTLD)はそのひとつである.FTLDは認知症をきたす神経変性疾患で,日本の指定難病に認定されている.この疾患は他の認知症基礎疾患と比べて症例数が少なく,アルツハイマー病(AD)との鑑別が難しい.そのため,FTLDが疑われる患者に対しては専門医によって診断が行われることが望ましい.よって,FTLDの疑いがある患者を専門医への紹介につなげるための簡易的な検査が必要とされている.そこで本研究では発話音声を用いてFTLD,AD,および健常者(HC)の3群鑑別を試みる.群間のデータ不均衡を解消する手法としてアンサンブル学習を用い,発話音声から抽出した音響特徴により疾患を分類した.その結果,上記3群鑑別において正確度82%,F値0.74を確認した.これよりアンサンブル学習を用いた発話音声による認知症疾患分類の有効性が示唆された.

  • 塩谷 真帆, 樋山 貴洋, 佐藤 佳州, 小澤 順, 小林 吉之
    セッションID: 1C5-GS-13-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    高齢者における下肢筋力低下は,転倒リスクや歩行能力低下の原因となることから,早期の発見と予防が重要である.下肢筋力低下を発見するために,先行研究では最速歩行時の動作と下肢筋力の関係が調査されているが,被験者への負担が大きく,日常歩行動作から下肢筋力を推定する方法が必要である.また,歩行動作は性別によって異なるが,歩行動作の性差を考慮した下肢筋力推定に関する研究はない.そこで本研究では,性差を考慮して、日常歩行動作から下肢筋力を推定する方法を検討した.50歳以上の健常被験者44名(男性22名,女性22名)の通常歩行を計測し,男女別に下肢筋力推定モデルを構築した.その結果,男女別に推定モデルを作成した場合,下肢筋力の推定値と実測値の相関係数が0.55,絶対誤差0.12 N/kgであった一方,性別毎に作成したモデルでは,男女それぞれで相関係数が0.70以上,絶対誤差0.11 N/kgとなり精度が向上した。このことから,歩行動作計測に基づく下肢筋力推定では被験者の性別がパラメータとして重要であることが示された.

  • 白石 哲也, 土方 友莉子, 徳重 一雄, 石原 正一郎
    セッションID: 1C5-GS-13-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では脳出血患者における機能予後を推測する手法を確立することを目的とした。当院で加療した81例の急性期脳出血症例を対象とした。特徴量を搬入時の頭部CT画像の特徴とFIM(Functional Independence Measure)点数、教師ラベルをFIM利得とし、ニューラルネットワークと勾配ブースティング木のアンサンブル学習を行った。その結果、運動項目利得では決定係数0.49であり、寄与度が高いものとして、血腫伸展部位、年齢、血腫サイズ・量・局在などが抽出された。FIM利得の増減に寄与する特徴量を知ることで、リハビリテーション実施計画をより詳細に立案できる可能性が示唆された。

  • 李 拓宇, 山﨑 達也
    セッションID: 1C5-GS-13-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本稿では、3次元の肺野CT画像からがんの原因となる結節影を検出する方法を提案する。提案手法では、CT画像の肺野部分から抽出した3次元小領域画像を画像を三次元畳み込みニューラルネットワークで構築された検出モデルに入力する。そして、入力された小領域画像が結節影であると判定されたら、CT画像内の対応する位置にマークをつける。本稿では、提案手法における検出モデルの有効性を検証するために、結節影と非結節影の二つのクラスに分類するモデルを構築して分類精度の検証を行い、さらに実際にいくつかの肺野CT画像に対して結節影検出を行った。その結果、モデルの正解率は94.44%であった。しかし、結節影検出の過程でいくつかの偽陽性が確認された。

  • 鈴木 雅弘, 坂地 泰紀, 和泉 潔, 松島 裕康, 石川 康
    セッションID: 1D3-GS-13-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では,アナリストレポートに自然言語処理とニューラルネットワークを適用しアナリストが実際に予想する純利益の予測を行う.そのために,まずアナリストの純利益予想の予測にはアナリストの意見文が特に有効であるという仮定のもと,意見文と非意見文の判別を行う.意見文判別では様々なリソースから分散表現のモデルを作り,それぞれの組み合わせの有効性を試す.純利益の予測では,分割した意見文や非意見文に加え,アナリストの今までの予想トレンドを入力に追加する.また,アナリストレポートを発行する証券会社ごとに入力し証券会社ごとの書きぶりの違いを考察する.実験の結果,0.8を超えるF1で意見文判別を達成できた.純利益の予測では証券会社によって予測精度が最も高くなる入力が異なった.アナリストが自らの業績予想に至った論拠を意見文を中心に議論するか,キーとなった客観的事実を中心に議論するかといった違いが証券会社ごとに表れた結果と言えるかもしれない.また,トレンドの入力もアナリストレポート同様予測に効果的だった

  • 秋山 祥伍, 江口 潤一, 鈴木 智也
    セッションID: 1D3-GS-13-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    ESG投資は企業の環境 (Environment),社会 (Social),ガバナンス (Governance) への取り組みを評価した投資である.企業のESG文書開示数によりESGへの積極性を評価した研究がある一方で,ESGというキーワードの曖昧さにより,各企業の開示文書の内容からESGへの取り組みを評価することは難しい.そこで本研究では,Word2Vecを用いて各単語をベクトル化し,「環境」「社会」「ガバナンス」に類似するESGトピックワードを抽出する.さらに各企業に関連するニューステキスト内にどの程度ESGトピックワードに類似する単語を含むかを算出し,客観的に各企業のESGスコアを評価する.このESGスコアの高低に基づいてESGファクターを構成することで,伝統的な5ファクター以外の追加的リターンを得られるか検証した.その結果,「環境」ファクターが5ファクターでは説明できない追加的なリターンを有することを確認した.

  • 酒井 浩之, 坂地 泰紀, 和泉 潔, 松井 藤五郎, 入江 圭太郎
    セッションID: 1D3-GS-13-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では,業務の効率化の一環として,毎月のファンドの運用報告書に記載される市況分析コメントを生成するために必要な,要因文(日経平均株価が変動した要因について述べている文)を経済新聞記事から抽出する手法を提案する.本手法では,一ヶ月分の経済新聞記事を入力とし,深層学習により,その中から日経平均株価について言及した記事を判別し,さらに,判別された記事から要因文を抽出する.ここで,記事の判別,要因文の抽出を深層学習で行うために必要な学習データを自動生成することにより多くの学習データを作成し,高い精度を達成した.さらに,決算短信テキストより抽出した因果情報を用いることで,要因文に記載されている内容の補完情報の抽出を行っている.

  • 張 鑫, 本木 悠介, 曽根岡 侑也, 岩澤 有祐, 松尾 豊
    セッションID: 1D3-GS-13-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    SDGs(持続可能な開発目標)は社会システムや産業構造を変えている現在、アカデミーによる取組が求められるようになってきた。しかし、日本語リソースが少ないため日本での取組が困難であった。本研究では、日本語のSDGs関連データを大学が公表している資料から集め、データセットを作成した。そして、SDGs分類モデルを構築した。オーギュメンテーション手法として、1. BERT MASKモデルを用いて品詞置き換え 2. Google transferを用いて英訳したものを再度日本語訳した逆翻訳手法 を用いた。古典機械学習手法であるトピックモデル(LDA等)及び深層学習モデルであるBERT等を用いて分類を行った。結果は少数データタスクにおいてオーグメンテーションの成果を示す。また、データ数が少ない中で比較的に高い精度を出すことを目指す。

  • 知的対話エージェントと認知訓練システムの統合
    廣瀬 翔, 北越 大輔, 鈴木 健太郎, 山下 晃弘, 鈴木 雅人
    セッションID: 1D4-GS-13-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    世界に先駆けて超高齢社会に突入した日本では,要支援・要介護者数の増加抑制を目指す介護予防の取組が活発になりつつある一方、需要に対する供給の不足や,取組に対する心身の負担が課題となっている.著者らの研究グループでは,高齢者が習慣的に楽しみながら介護予防の取組を実現することを目指し,自然な対話を通して,認知訓練と見守りを同時に実現するシステムを開発している.本研究では,認知訓練システムと知的対話エージェントを統合した試作版包括的介護予防システムを構成する.具体的には,訓練難易度調整機構を有する認知訓練システムと,センサおよび発話内容調整機構を有するエージェントとの併用を通して,訓練習慣の変化やシステムの親しみやすさについて評価し,利用ログの解析による見守り情報の妥当性について考察する.発話内容調整,訓練難易度調整の双方は,強化学習を適用することで実現している.学生を対象とした実験の結果,利用者の状況や嗜好に応じて発話内容が適切に調整可能であることが確認された.また,システム利用履歴とセンサの反応ログの双方を活用することで,より詳細な見守りの実現が期待されることが示された.

  • 杉山 弘晃, 中村 賢治, 原田 欣宏, 大口 達也, 堀口 美奈子, 佐川 祥吾
    セッションID: 1D4-GS-13-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年高齢化が急速に進み,特別養護老人ホーム等の介護施設で日々を過ごす人も多い. そうした施設では,他者とのコミュニケーションを通して認知機能を維持することが期待されている. しかし,施設職員の長時間労働が問題になる中で,必ずしも日常的に十分な量のコミュニケーションを取れていないことが課題となっている. またそうした背景から,対話エージェントが人と雑談することも期待されているが,現状では十分に人が満足のいく雑談を実現できていない. 本研究では,よりシンプルな形態の対話である,しりとりゲームに着目する. 対話エージェントとのしりとりゲームが,認知機能維持に有効であることを3か月間のWoZ実験を通して検証する.

  • 園田 潤, 木本 智幸, 金澤 靖
    セッションID: 1D4-GS-13-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,海に年間少なくとも800 万トンものプラスチックが流れこんでいるとされ,大きな環境問題になっている.日本沿岸でも海岸漂着プラスチックが問題になっており,処理計画立案のための定量化が必要とされているが,自動定量観測は研究されていない.また,漂着プラスチックは砂浜に沈下し,海洋生態系にも大きな影響を及ぼすと考えられるが,その調査も行われていない.本研究では,海岸漂着プラスチックの定量化を目的に,地中レーダによる地中内部のレーダ画像とUAV による表層の空撮画像から深層学習を用いた自動検出を試みる.この結果,地中沈下および海岸漂着のプラスチックを95%程度の精度で検出できることを明らかにした。

  • 成清 奈々子, 北村 花梨, 滝口 桐矢, 髙橋 光, 中辻 早紀
    セッションID: 1D4-GS-13-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    この研究の目的は,企業による労働者の働きやすい環境づくりを手助けすることである.近年,労働者のメンタルヘルスが問題になっている.その主な原因は,長時間労働や,人間関係によるストレスである.以上のことから,私たちは,AIを伴うメンタルヘルスケアの効果的な方法を調査した.具体的に,メンタルヘルスケアの一つのストレスチェックに着目した.ストレスチェックの情報を提示することが,効果的な方法だと考えた.結果,情報提示は,上司の気持ちと行動の変化に影響を与えなかった.補助分析として,3つの性格特性に着目した.社会的不安が低い人は,情報提示に関わらず,彼らのチームを良くしようとする傾向があることが分かった.

  • 実証実験における社会実装からエビデンスを参照した政策決定に向けて
    髙岡 昂太, 坂本 次郎, 橋本 笑穂, 北條 大樹, 古川 結唯, 菊池 愛美, 佐藤 瑛洋, 先光 毅士, 山本 直美, 鈴木 聡
    セッションID: 1D4-GS-13-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    日本では推計で毎年500人の子どもが虐待で死亡している。親が嘘をつく場合や、子どもが加害者から脅され話せないなど、正確な情報収集が難しい課題がある。ベテラン職員であっても判断を誤ることがあるため、虐待対応には判断の質の向上が喫緊に求められる。さらに、増加する虐待通告件数に対応する施策も満足に打てていないことが問題である。申請者らは現場職員の判断を支援し、かつ虐待件数増加に対応する施策決定に向けたAI実証実験を2019年7月より始めた。現場と達成目標をすり合わせた上で、一時保護すべきケースの見過ごしを無くすため、予測精度の高い勾配ブースティングを実装した。また、将来的な再発率や重篤度の算出には、現場の説明責任を担保するため、因果推論を行う確率モデリングを採用した。試行の進捗として①現場の業務フローの差異の把握、②データ収集の調整、③パラメーターチューニング、④UI/UXの改修を含むアジャイル開発、⑤ICTが得意または苦手なユーザーへの研修の配慮など、社会課題解決に向けた社会実装で得た知見について発表を行う。

  • 田村 和仁, 原 一夫, 鈴木 郁美
    セッションID: 1D5-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,ニューラル言語モデルは,英語の文法の獲得に成功していると報告されている.本論文では,ニューラル言語モデルが日本語の文法を獲得できているかを調査した.日本語の文法として,京都大学の格フレーム辞書を用いた.実験によって,LSTM言語モデルとn-gram言語モデルの性能比較をすることができた。

  • 高村 大也
    セッションID: 1D5-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本稿は、データからテキストを生成する研究課題のための最近の技術を俯瞰し、各場合においてどのようなモデルを構築すべきかを議論する。考慮すべきコンポーネントとしては、入力のエンコード方法、注意機構、コピー機構、内容選択とプランニング、内容のトラッキングなどがある。

  • 平出 聡, 田中 瑛一, 大西 健司
    セッションID: 1D5-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,単語の分散表現において,日本語の文字種により異なるルールを適用しサブワードを抽出する学習手法を提案する.これまで,文字のn-gramを利用するFastTextを代表として,単語をサブワードに分割することでより性能の良い分散表現を学習する手法が提案されてきた.しかし,既存手法には分割前の単語の意味と無関係な意味をもつサブワードが出現するという問題が残されている.これに対して提案手法は,日本語における漢字とひらがな・カタカナの性質の違いに着目することで無関係なサブワードの出現を抑制し,さらによりよい分散表現を学習する.単語の分散表現の類似度タスクによる評価の結果,提案手法の優位性が確認された.

  • 山口 皓太郎, 岡 夏樹, 谷口 忠大, 尾崎 僚
    セッションID: 1D5-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    乳幼児は母語の音声発話を聞いて教師無しで二重分節(音素への分節と単語への分節)をする能力を持っていると考えられる.これまでに,明瞭に発話された限定された語彙からなる音声発話の二重分節が工学的に実現できることが示されている(Taniguchi,Nagasaka,and Nakashima,2016)が,本研究では迷路ゲーム環境における比較的自然な発話の教師無し二重分節を試みた.合わせて,遅れのない報酬だけを扱う単純化したQ学習を用いて分節された単語の意味学習を行った.迷路ゲーム環境における方向指示の発話に限定した場合,上下左右の意味を概ね正しく学習できた.

  • 村上 聡一朗, 田中 天, 萩行 正嗣, 上垣外 英剛, 高村 大也, 奥村 学
    セッションID: 1D5-GS-9-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Data-to-Textタスクは, 気象予報マップや時系列株価データといった様々な形式のデータからその内容を説明するテキストを生成する研究課題である. ニューラルネットワーク技術の進歩により, 複雑なデータの特徴を捉え, その内容を正確に記述する文章の生成が可能となってきた. しかし, 複数文からなる文書の生成においては, 内容誤りは少ないものの, 同じ話題が複数文に渡って繰り返し言及されていたり, 各文章の話題の一貫性が欠けている文書が生成されてしまう問題があることが知られている. 本研究は, Data-to-Textタスクにおいて, 記述する内容の正確性に加え, 言及する話題に重複が無く, 一貫性のある文書を生成することを目標とする. 本論文では, 言及する話題とその順番を表すトピック系列を予測・付与し, これらの情報に基づくことで生成テキストの一貫性を制御する手法を提案する. 評価実験では, トピック系列を事前にモデルへ与えることで, 話題に重複がなく, 一貫性のあるテキストが生成できるようになることを示す.

  • 単語ベクトルによる類推課題の教師あり学習に向けて
    日高 昇平
    セッションID: 1E3-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    単語の共起確率のベクトル空間埋め込みに基づいて、四項類推課題で高い正答率で回答できることが知られ、近年の自然言語処理における基本的技術となっている。一方、ベクトル空間への埋め込み自体は、類推課題のために最適化されてはおらず、類推課題の正答率を系統的に最適化した場合にどの程度の正答率を得られるかはよくわかっていない。本研究では、単語ベクトルによる類推課題の正答率の最大化を、距離に基づく順位関数の最小化として定式化し、重みつきCity-block距離の順位関数の導出を行った。この順位関数は指数的な組み合わせ計算を要するが、特定の条件の下では計算可能な漸近的関数を得ることができる。本研究はこの漸近関数を用いた近似関数により類推課題の最適化ができることを示し、その数理的構造が含意する単語ベクトルに基づく類推の数理的機序について考察する。

  • 新納 浩幸, 白 静, 曹 鋭, 馬 雯
    セッションID: 1E3-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では BERT の領域依存の問題を指摘し、Fine-Tuning を利用することで領域に特化した事前学習モデルを構築する。具体的には既存 BERT モデルのパラメータを DistilBERT のパラメータの初期値とし、領域毎のコーパスを利用して DistilBERT モデルの学習を行う。これによって領域に特化した DistilBERT モデルの構築が効率的に行える。実験では、領域毎に空所単語の推定問題を作成し、問題の領域に特化して構築したモデルと既存 BERT モデルを比較することで、構築したモデルの有益性を示す。

  • 靱 勝彦
    セッションID: 1E3-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    日本語文章においては、句読点の挿入位置により文脈の意味が異なる場合があり、句読点の挿入位置は非常に重要である。近年ではSNS等の書き込みでは句読点を省いたり、また音声認識においては句読点が取れない場合など、句読点を自動補完する必要がある場合も多い。 本研究では、深層学習を用いることによりテキスト情報のみからの句読点の自動補完を行う一般的な手法を作成することを目的とする。提案する手法は、出現頻度の低い単語を品詞に置き換えて作成したコーパスから、句読点が存在するかどうかを推測する位置の前後の単語列にLSTMを用いて、句読点が存在するか否かの3値分類を行う。 その際、モデルから出力される確率に閾値をもうけ、閾値で予測の調整を行うことで分類の精度を向上させるものである。また、入力の単語数を制限し品詞に置き換えることで計算精度を落とすことなく計算時間の短縮できることがわかった。この手法を用いることで、放送用原稿をテキストコーパスとして用いた実験から、本手法の有効性を確認した。

  • 大西 舞子, 谷中 瞳, 峯島 宏次, 戸次 大介
    セッションID: 1E3-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    自然言語処理では、機械学習を時間関係認識に応用した研究が行われているが、まだ時間関係間に成り立つ推論の研究は進んでいない。また、従来の日本語の言語資源は統語的に決まる時間情報を考慮していない。そこで本稿では、日本語のテキストを統語解析、意味解析に通すことで論理式に変換し、自動で推論可能か判定するシステムであるccg2lambdaを用いた時間関係認識について検討した。具体的には、(1)意味解析にテンス・アスペクトと時間接続詞に関する時間情報を組み込む、(2)証明体系に時間の基本的な性質に関する公理系を追加する、という2点の改良を検討した。

  • 春田 和泉, 峯島 宏次, 戸次 大介
    セッションID: 1E3-GS-9-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    比較表現は、省略や数量表現、反意語などを伴う構成的に複雑な推論を形成し、自然言語推論タスクにおいて十分に扱われていない現象の一つである。形式意味論では、程度という概念に基づく比較表現や段階的表現のための構成的意味論の枠組みが存在するが、計算可能な推論システムはまだ十分に発展していない。本研究では、既存の組合わせ範疇文法 (CCG) パーサを用いて英語の比較・数量表現を適切な意味表示にマッピングするための構成的意味論を与え、比較表現の複雑な論理的推論を定理証明により導出できる推論システムを提案する。3つの含意関係認識データセットによる評価実験によって、論理・深層学習に基づく最新のモデルと比較し、本システムの有効性を検証する。

  • 戸邉 勇人, 金子 弘幸, 升元 一彦, 松川 剛一
    セッションID: 1E4-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    トンネル・ダム・橋梁などの土木構造物の設計・施工において,基礎地盤あるいは周辺地盤の情報を収集し取りまとめることは,安全かつ合理的な工事を行うために重要である.しかしながら,これらの設計・施工にあたり閲覧すべき地質文献は大量であり,また,文献を解読・要約できる地質技術者が常に不足している.そこで,地質文献から施工にかかわる重要な情報を自動的かつ迅速に解析・抽出するための,テキストマイニングのシステムを開発した.このシステムによって自動的に抽出された情報と,地質技術者の手によって取りまとめられた情報とを比較した結果,前者の情報は後者に遜色のないことが明らかになった.本報告ではその概要について説明する.

  • 黒土 健三, 森本 康嗣, 佐藤 美沙, 柳井 孝介
    セッションID: 1E4-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    ビジネス上の意思決定の支援をめざした情報抽出技術を検討した。本報告では技術動向に関する判断支援を行うシステムを目標とし,論文から物性値に関する数値情報の抽出に取り組む。物性値の抽出にあたっては数値と項目名を組みにして抽出した。数値については単位を伴わない数値の抽出を検討した。手法として,係り受け構造に基づくパターンマッチによる抽出を利用して項目名と数値の組みを抽出する方法を用いた。英語論文を対象とした評価を行い,本手法の有効性を確認した。

  • 高野 海斗, 酒井 浩之, 中川 慧
    セッションID: 1E4-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では,株主招集通知から株価に影響を与える可能性が高いページの抽出を自動で行うことを目的とする.株主招集通知には,企業概要,大株主情報,決議事項である議案など,多くの有益な情報が記載されている.これらの情報が記載されているページを自動で抽出するために,ページ単位でどのような情報が記載されているのかをタグ付けする必要がある.そのために,本研究では深層学習を用いてタグ付けを行うが,ルールベースにより学習データを自動生成することで,多くの学習データの作成を行った.そして,自動生成された学習データを用いてモデルの学習を行い,ページごとにタグ付けをするのに有効なモデルの検討を行った.

  • 清水 仁, 岩田 具治
    セッションID: 1E4-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    商品検索で表示される検索結果のランキングは売上に大きな影響がある. 我々は,検索ログを用いて商品検索を改善する手法を提案する. 商品とクエリから得られる特徴量と検索ログを学習データとしてニューラルネットを学習し, 購入されやすい商品を上位にランクさせる. 検索ログには購入だけでなくショッピングカートに入れる,クリックする,など複数の種類が考えられる. これらを区別して学習することで,少ない学習データでも効率的に検索ランキングを改善できることを実験で確認する.

  • 山下 遼真, 原 謙介, 田村 哲嗣, 速水 悟
    セッションID: 1E4-GS-9-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年,人工知能の発展により文書検索精度の改善が続いており,その利用は広まっている.コールセンターにおいても,問い合わせに対し,その事例に類似したマニュアル文の検索を行っている.しかし,複数の検索候補の中から最適なマニュアルを選択することが難しいとされる.そこで,従来の検索システムを対話形式に置き換え,適切なマニュアル文を提示することを考える.対話形式には,答えを1つ明示できるという点に加え,曖昧なクエリに対して追加の質問を行うことで最適な回答に導けるという利点がある.本研究では,ユーザーからの質問の後,システム側から問い返すことで回答候補の絞り込みを行う2問2答形式の実現に向けての検証を行った.そこで,応答マニュアル文のクラスタリングによる分析を行い,それを用いることによる回答の絞り込みの有効性について検証する.検証に際して,各クラスタにおける特徴語の可視化を行った.また,クエリを入力としたクラスタの推定を行った際の検索精度と,従来のマニュアル全文を用いた検索精度の比較を行い,その有効性を示した.

  • 丹羽 彩奈, 脇本 宏平, 西口 佳佑, 毛利 真崇, 岡崎 直観
    セッションID: 1E5-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    商品や作品を端的に表現した文章であるキャッチコピーは,そのマーケティングにおける重要性によりその自動生成にも近年注目が集まっている.そのようなキャッチコピーの面白さは,過去の作品や制作過程の分析により,用いる単語やフレーズの選択に加えて,比喩や反復などの修辞技法の部分にも強く現れることがわかった.修辞技法を用いる方がキャッチコピーの認知度が上がるという実験結果もある.そこで本研究では,数ある修辞技法の中でも対句を含むキャッチコピーに着目した.具体的には,対句構造を持つキャッチコピーの生成に向け,対句スパンのアノテーションがついたコーパスを用いて構造解析を行い,対句構造の知識を抽出する.対句構造には,句の構造的類似性・可換性と,単語の意味的対照性という異なる単位の性質がある.提案する構造解析モデルは,先に対句ペアの終了位置を先に予測し対句スパン候補を効率的に絞り込むことで直接スパンを同定するよりも短い計算時間で良い精度を示した.

  • 磯部 僚也, 洪 博軒, 飯田 頌平, 魏 軼楨, 宇津呂 武仁, 永田 晶明
    セッションID: 1E5-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では,三言語対訳コーパスが利用できる場合を対象として,これを有効活用する文連結型マルチソース翻訳手法を提案する.本手法においては,トークンを用いて複数の言語の原言語文を連結し,連結された二文を一文として扱い,翻訳モデルの訓練・評価を行う.このアプローチによれば,単エンコーダモデルによって2-to-1翻訳が実現可能となるため,マルチエンコーダの実装が不要となる.特許文を対象として,英語・中国語の二言語対訳文を入力して日本語へ翻訳するタスクにおいて本手法を適用した結果,英語文のみ,中国語文のみを入力して日本語へ翻訳する場合よりもBLEUを改善することができた.特に,カタカナ外来語・時制・助詞等,英語原言語文から日本語への翻訳においての方が翻訳精度が高くなる現象と,その逆に,日中二言語間で同一漢字が共有される漢字語のように,中国語原言語文から日本語への翻訳においての方が翻訳精度が高くなる現象の両方が観測され,英語・中国語の二言語対訳文を入力した場合にそれらの現象が相補的に改善されることにより翻訳精度が最大になることが判明した.

  • 李 宏宇, 陳 騰揚, 宇津呂 武仁, 河田 容英
    セッションID: 1E5-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本論文では,機械読解データセットSQuAD1.1およびBERTによる機械読解モデルを対象として,質問応答事例を難易度別に「回答容易」・「回答困難」の二つのクラスに分類する手順を示し,このクラス分類法の有用性について論じる.具体的には,本論文では,機械読解タスクに対してfine-tuning済みのBERT機械読解モデルに対して,コンテキストのみを与え,質問を与えない場合においても回答を正答できる事例を「回答容易」クラスとするアプローチを提案する.この方法をSQuAD1.1訓練事例約85,000事例に対する10分割交差検定において適用することにより,「回答容易」クラス約12,500事例と「回答困難」クラス約75,000事例に分割した.さらに,「回答容易」クラス約12,500事例を訓練事例として訓練したBERT機械読解モデルの性能が,同数の「回答困難」クラス事例を訓練事例として訓練したBERT機械読解モデルの性能を下回ることを示す.

  • 柳本 豪一
    セッションID: 1E5-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    自然言語処理において深層学習が応用され、大きな成果が得られている。しかし、全てをニューラルネットワークで実装すると、システムがブラックボック化してしまい、知見を組み込むことが困難となってしまう。一方、確率モデルでは事前の知識を組み込んだり、得られた結果に対する解釈を行うことが容易である。確率モデルの一つとしてGaussian Process Regressionが注目されている。この手法では、データの特徴を捉えるためカーネル関数の選択が非常に重要である。本研究では、深層学習における表現能力の高さと、システムの明確性を組み合わせることを目的として、リカレントニューラルネットワークによる自然言語文の埋め込みとGaussian Process Regeressionを組み合わせたシステムを提案する。特に、提案システムをレビューに付加された評価値を推定するタスクに応用し、性能を議論した。評価実験より、従来のGaussian Process Regressionに比べ提案手法の方が評価値を精度よく予測できることを確認した。

  • 杉本 隼斗, 久野 文菜, 谷口 航平, 濱川 礼
    セッションID: 1F3-OS-2a-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、アボカドの食べ頃判断支援を目的とした深層学習によるアボカドの追熟段階分類手法を提案する。アボカドは収穫後、追熟を経て食べ頃を迎える果物であり、一般消費者に食べ頃の見極めが要求される。アボカドの食べ頃を見極めるには、主に果皮の色や質感、硬度などが指標とされる。しかし、これらの指標は曖昧であり、熟練者でなければ正確な判断は困難である。 このような問題に対し、様々な追熟段階分類手法が提案されているが、特殊デバイスが必要とされる手法が多く、一般消費者が手軽に利用可能な手法は少ない。また、深層学習の画像認識による手法は提案されていない。深層学習は高精度な分類が期待され、一度データを学習させたモデルを利用すれば、ユーザは画像入力のみで出力結果を得ることが可能であるため、アボカドの追熟段階分類においても有効であると考えた。 そこで本研究では、深層学習を用いたアプローチによってアボカドの追熟段階分類を行った。深層学習はアボカドの果実検出にYOLOv3、追熟段階分類にVGG19を使用した。評価の結果、果実検出では高精度な検出が可能となったが、追熟段階分類では多くの改良点が残る結果となった。

  • 齊藤 史哲
    セッションID: 1F3-OS-2a-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    食に関する感性を刺激し,顧客の食欲や購買意欲を高める用語であるシズルワードは製品開発や広告といったマーケティングにおいて近年重要視されはじめている.シズルワードにはオノマトペなどの感覚的な表現や食に関する情報を直接的に表現する要素が多く含まれていることからさまざまな領域において注目を集めている.本研究は言語処理において広く利用されているニューラルネットワークのひとつであるWord2vecを用い,食品に対するカスタマーレビューの解析を行うことで,シズルワードの意味解析を試みるものである.これにより,言語データに基づいてシズルワードにおける単語間の意味の近さや単語間の差異を把握することができれば,言語表現と感覚との間における乖離を避けることが可能になり,マーケティング領域における活用が期待できる.

  • 飲食業におけるシミュレーションによるAGV運用評価
    櫻井 徳良, 金澤 宏篤, 藤井 信忠, 新村 猛
    セッションID: 1F3-OS-2a-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究ではサービス産業の中でも比較的労働生産性の低い外食産業に着目する.人とロボットの協働に関する研究を実施し,システム技術,IoTやAIを用いたサービス産業生産性向上のアプローチを模索する.レストランフロアに導入された自動搬送装置(AGV: Automated Guided Vehicle)と人が混在する環境におけるシミュレーションを用いたAGV運用評価手法について報告する.研究の第一段階として,AGVの充電行動に着目し,マルチエージェントシミュレーションを用いて,厨房における料理の総滞留時間を小さくできるようなAGVの充電規則の決定を図った.その結果,厨房における料理の総滞留時間を,7日間合計で3.5%(1日平均で2,036分から1,965分 ),単日で最大7.4%(1,981分から1,834分),減少することを確認した.シミュレーション結果に基づきAGVを効率的に稼働させることで,①労働量の削減,②人による接客時間の増加,③料理提供のスピードアップ,を図ることが可能だと考える.顧客満足度を高め,また顧客不満足要因を解消することは,サービス産業においても重要な取り組みだと考える.

  • 野中 朋美, 新村 猛, 藤井 信忠
    セッションID: 1F3-OS-2a-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,レストランサービスにおける配膳ロボット導入による従業員満足と生産計画に関する基礎的分析を行う.和食レストランに導入された配膳ロボットを事例として,配膳スタッフ,調理場スタッフ,接客スタッフのオペレーションおよび個々の従業員が暗黙的に頭の中で計画,更新する生産計画に着目する.この配膳ロボットは,調理場で出来上がった料理を接客フロアに運ぶものであり,作業者が行き先を指定し,店舗内を巡回しながら料理を運搬する.また,下げ膳の食器類を洗い場まで運ぶ役割も担う.ロボット導入前後における生産性と従業員満足を,配膳,調理場,接客の職種別に分析することにより,人と機械の仕事の切り分けや協調,工程設計の変化に対して,従業員がどのように適応しているのか,また,ロボット導入に伴い自身の仕事やオペレーション改善をどのように捉え対応しているのかを考察する.2019年12月から2020年1月にかけて,ある導入店舗を対象に実施した従業員アンケートおよびインタビューの結果をもとに分析を行う.

  • 濱 龍太郎, 齋藤 梓, 高久 由香里, 橋本 敦史
    セッションID: 1F3-OS-2a-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究は,潜在的意味解析を用いることで調理作業の進行と空間の使い方によって調理者の作業パターンを分類する方法を提案する. 調理における作業空間を作業関連領域と待機領域に分割し,また作業の時間進行を3分割することで,時間・空間で分けた6つの区分と,それらに含まれる調理アイテムでBag of Itemsの特徴量を生成し,潜在的意味解析を行なった.さらにそれらの特徴量を被験者ごとに直列に結合することで特徴量空間を生成し,クラスタリングを行うことで5つのユーザーの調理作業パターンを得ることができた.

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