人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第34回 (2020)
セッションID: 1D4-GS-13-05
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なぜAIは子ども虐待対応に役立つのか 実証実験における社会実装からエビデンスを参照した政策決定に向けて
実証実験における社会実装からエビデンスを参照した政策決定に向けて
*髙岡 昂太坂本 次郎橋本 笑穂北條 大樹古川 結唯菊池 愛美佐藤 瑛洋先光 毅士山本 直美鈴木 聡
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抄録

日本では推計で毎年500人の子どもが虐待で死亡している。親が嘘をつく場合や、子どもが加害者から脅され話せないなど、正確な情報収集が難しい課題がある。ベテラン職員であっても判断を誤ることがあるため、虐待対応には判断の質の向上が喫緊に求められる。さらに、増加する虐待通告件数に対応する施策も満足に打てていないことが問題である。申請者らは現場職員の判断を支援し、かつ虐待件数増加に対応する施策決定に向けたAI実証実験を2019年7月より始めた。現場と達成目標をすり合わせた上で、一時保護すべきケースの見過ごしを無くすため、予測精度の高い勾配ブースティングを実装した。また、将来的な再発率や重篤度の算出には、現場の説明責任を担保するため、因果推論を行う確率モデリングを採用した。試行の進捗として①現場の業務フローの差異の把握、②データ収集の調整、③パラメーターチューニング、④UI/UXの改修を含むアジャイル開発、⑤ICTが得意または苦手なユーザーへの研修の配慮など、社会課題解決に向けた社会実装で得た知見について発表を行う。

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© 2020 一般社団法人 人工知能学会
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