主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
スマートフォンやソーシャルメデイアの普及に伴い,インターネットやe-mailのような電子通信を介したいじめ,いわゆるネットいじめが増加しており,サイバーいじめのリスクを軽減することが重要な社会課題となっている.既存研究では,会話コーパスを用いてサイバーいじめ行為を検知することが盛んに行われてきたが,実際のアプリ利用ログを用いてサイバーいじめの被害者の分析に焦点を当てた研究はまだ少ない.本研究では,実世界のソーシャルメディア利用ログを用いて,2つの分析課題に取り組む: (1)ネットいじめに顕著にみられる行動傾向は存在するか.(2)会話コーパス以外の行動ログを使用して,ネットいじめ被害者を検知することは可能か.約1,000ユーザを対象とした実験の結果,最初の分析では、夜間にネットいじめが行われる可能性が高く、被害者が深夜までアプリを使用する可能性が高いなど、ネットいじめ行動に関する興味深い結果が得られた.さらに、2番目の分析の結果は、0.760のMacro-F1値を持つ意味のあるモデルの開発に成功し,行動データから取得した特徴が被害者の検出に役立つことを示した。