主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
本研究は,コンクリートを対象としたレーダ画像から,条件付き敵対的生成ネットワークの一種であるpix2pixを利用して,内部の欠陥の位置,配置角度,寸法情報を推定することを試みたものである.具体的には,薄板状の欠陥を,位置,角度,寸法(長さ,幅)を変化させて埋め込んだコンクリート供試体を対象に,地中レーダ試験を行い,学習データセットとなる欠陥情報を含むコンクリート断面画像およびそれに対応するレーダ画像のペアを取得した.取得した学習データセットをpix2pixに学習させ,学習済みのネットワークモデルを用いて,欠陥識別精度の検証を行った.検証の結果,同モデルは,欠陥の位置,角度,寸法情報をある程度推定できるものの,欠陥位置が深くなるほど,反射波の応答が小さくなり,結果,コンクリート内部に分布する骨材等の非均質性に起因する不要な散乱波と見分けがつかなくなり,精度が低下することが分かった。