人は一生の間に様々な不安を覚える.こうした不安に対処するために,人々は古今東西様々な方法を用いてきた.研究分野においても,心理学を始めとする諸分野において,不安にまつわる多くの知見が存在する.JSAI2020におけるオーガナイズドセッション「不安を緩和するAI」では,技術研究の立場から,不安の緩和に関連する手法を議論する.本論文は同OSのポジションステートメントであり,不安緩和エージェントに関する二つの軸「エージェントの実体度合」「背後に人が居るかどうか」を提起し,例題として独居高齢者の社会的孤立抑制を取り上げつつ,不安緩和のための技術的手法を広く考える素材を提供することを目指す.