主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
我々はニュース記事のようなまとまった量の情報を効率的に伝達する会話システムの開発を行っている.ここで「効率的」とは,伝達対象となる記事の中から,ユーザにとって不要な情報を除き,必要な情報だけを伝えることを意味する.このシステムでは,あらかじめ主計画,副計画と呼ぶシナリオを用意しておき,主計画に沿って記事の要点となる情報を提示する傍らで,随時ユーザのフィードバックに応じて副計画に遷移し補足情報を迅速に提示する.主計画は記事を要約することで生成されるが,従来手法では内容の重要度のみに基づいて生成している.本研究では,初期ユーザを対象に,利用開始時に行うアンケートから取得可能なプロフィール情報を用いることで,ユーザごとにパーソナライズした要約を生成する手法を提案する.早稲田大学の学生を対象にアンケート調査を実施し,興味があるジャンルなど,プロフィールを問う質問の他,ニュース記事の各文に対して伝えてほしいか否かを回答させた.このデータセットを使用し,ユーザのプロフィール情報を用いて推定した興味度に基づいて生成した要約の方が,重要度のみに基づいて生成した要約よりも,情報伝達効率が高いことを示す.