電気自動車(EV)の普及にともない,充電ステーション(CS)の混雑が予想されている.CSでの待ち時間は普及の妨げとなりうるため予約システムを導入することが検討されているが,導入事例は少ないためメリットや生じうる問題などの知見は得られていないのが現状である.そこで,交通流シミュレータを用いて仮想空間内で実験を行う.実証実験によるデータから3種類の充電予約行動を作成し,それぞれについてモデル化を行なった.各充電予約行動型を10%刻みで変化させシミュレーションを行なったところ,旅行時間の総和はEVの充電予約行動型構成によって連続的に変化しており,特定のCS整備環境において社会的に最適な充電予約行動型構成が存在することが示唆された. 一方現実世界では各EVユーザーは利己的に行動することが想定されるため,その結果生じる充電予約行動型構成は社会的に最適な充電予約行動型構成とは異なる可能性がある.そこで,EVエージェントの充電予約方策を適応的に学習させるモデルを作成し,特定のCS整備環境においてでどのような充電予約行動型構成をとるか,その形成過程を分析した.