主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
機械が協調的に振る舞うためには,他者の意図を推定する必要がある.また,協調課題によっては,リーダー/フォロワーのような役割に従って行動することで円滑に協調できることがある.本研究では,このような機械の協調行動を自動で実現し,その行動プロセスを分析することを目的とする.今回は,ボトムアップに協調行動を実現するために,ニューロエボリューションの代表的な手法であるNEATを用いた.実験として,1つの重たい箱を2体のクリーチャが持ち上げる協調課題をNEATによって進化的に学習させた.学習の結果,柔軟に位置を調整しながら協調行動を達成するクリーチャの行動が見られた.得られたニューラルネットワークを分析すると,リーダー/フォロワーの役割を分担しているような構造であることが明らかになった.さらに,クリーチャにシグナルを送受信できる状態で学習させた結果,箱を持ち上げる合図としてシグナルに意味を創発した.今後は,人との協調に向けた検討を行っていく.