主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 第34回全国大会(2020)
回次: 34
開催地: Online
開催日: 2020/06/09 - 2020/06/12
物流現場では生産年齢人口の減少に伴い、熟練作業者の減少が問題となっている。問題となっている物流工程の1つに、複数の製品を1つの箱に梱包する梱包工程がある。その理由は梱包工程の箱を選定する作業は複雑な組み合わせ問題であり、作業者の熟練度によって選定の差が生じやすいためである。そこで、本研究では作業者の熟練度に依らず適切な梱包箱を選定できるように作業支援を行うことを目的とした。作業支援の実現のため、熟練作業者のノウハウを抽出して梱包箱選定のモデルを構築した。具体的にはニューラルネットワークを用いて熟練作業者の梱包箱の選定実績を学習してモデル化した。その際、梱包箱の選定は膨大な種類の製品の組み合わせから決定される点において、文書分類タスクと性質が共通していると考え、埋め込み層を有したニューラルネットワーク構造を提案した。その結果、実際の物流現場の実績を用いた評価試験において、熟練作業者の選定と提案するモデルでの選定の比較で約70%の一致率を達成した。