人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第35回 (2021)
セッションID: 1J2-GS-10d-04
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形式的誤謬の三角ロジックにおけるモデル化
*沖永 友広中野 謙林 雄介平嶋 宗
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抄録

論理構造を表現するものとして,Toulminモデルが知られている.そのうち「根拠」,「理由付け」,「主張」の三要素で構成したものを三角ロジックモデルという.このモデルを用いた三角ロジック組み立て演習システムが開発され,論理的思考力を促進することが示唆されている.しかし,組み立てた論理の妥当性を検討する活動はしてこなかったため,批判的思考までも支援しているとは言い難い.本研究では,批判的思考を支援することを目標として,三角ロジックによる形式的誤謬を三角ロジックに取り入れることを目指す.また,三角ロジックにおける理由付けで用いられる命題が形式的誤謬ルールに一致することとして形式的誤謬を同定することを目指す.学習課題としては,他者の論理構造の再構成課題として三角ロジックを組み立てさせた上で,その三角ロジックが形式的誤謬に属するかどうかを判断させ,形式的誤謬と判断した場合には,どの命題がどの形式的誤謬ルールに当てはまっているかを判断させることになる.この課題は他者の論理構造の妥当性を,自身の論理構造を振り返りながら検討することになり,批判的思考の促進になると期待できる.

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© 2021 一般社団法人 人工知能学会
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