主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
我々の日常行動の中において他者との関わりの中で観察される協調系の多くは,必ずしも計画されたものではなくむしろ人同士のインタラクションを通して創発的に生じている.本研究では,マルチエージェント強化学習を用いてエージェントに協調行動が生じるボトムアップな過程とその条件を構成論的アプローチで検証することを目的とする.題材として,協調課題でありながら共適応する敵が存在する競争課題でもある缶蹴りを用いた.学習の結果,利己的な戦略を獲得するか,協調的な戦略を獲得するかは課題の難易度によって変化することが示唆された.そして,特定の難易度ではボトムアップに協調行動を獲得することが可能であるという知見を得られた.本研究の成果は,協調的なインタラクションを行う条件を明らかにし,協調系を創発する環境のデザインに寄与する.