本研究では,新型コロナウイルス感染症による影響がある以前の2019年中にテレワークやフレックスタイム制度といった,柔軟な勤務形態を導入していることを有価証券報告書で明記していた企業の当該部分を抽出し,テキストマイニングを行うことで,柔軟な勤務形態導入企業にどのような背景があるかの分析と企業の傾向の調査・分析を行った.形態素解析後にKWICでターゲットとなる単語の前後の100単語を抽出し,それをコーパスとして頻出単語を特定し,さらに二単語共起ネットワーク図を作成することで可視化をした.結果として,「生産性向上」や「効率化」,「改革」といった変化や業務に対してポジティブな影響を与えることに関するキーワードが頻出していることが分かった.また,柔軟な勤務形態導入企業の業種では「情報・通信業」,企業大分類では「エレクトロニクス・情報通信」に偏る結果が得られた.