主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2022年度人工知能学会全国大会(第36回)
回次: 36
開催地: 京都国際会館+オンライン
開催日: 2022/06/14 - 2022/06/17
深層学習の学習過程において,データ数がクラス毎で不均衡である場合,データが少ないクラスは画像の特徴を捉えにくく,そのクラスの分類精度が低下してしまう場合がある.このような問題をインバランス問題と言う.インバランス問題の解決方法として,データのアップサンプリングやダウンサンプリングによりクラス毎のデータ数を均一にする方法と,クラス毎のデータ数に応じた重みを学習過程に反映する方法が用いられる.しかし,これらの方法は,深層学習モデルの汎化性能の低下や学習時の情報量の欠如を発生させ,分類精度の低下を招く恐れがある. そこで本研究では,クラス毎の画像の特徴を捉えた代表的な画像(マスター画像)を用いた深層学習の学習過程を検討している.トレーニングデータとマスター画像との差分情報を学習過程で用いる損失関数に足し合わせることで,特徴を捉えにくいクラスの学習を優先的に行う.本報ではウェハマップの不均衡データを対象に,提案手法によるインバランス問題への効果を検証している.公知の従来方法と比べて提案手法の方が分類精度が向上する結果となり,提案手法がインバランス問題に有用であることを示す.