人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第36回 (2022)
セッションID: 2P1-GS-10-01
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多相CNNと人工造影CT画像を利用した腎腫瘍検出
鈴木 淳晟倉本 怜*亀谷 由隆山田 啓一堀田 一弘高橋 友一佐々 直人松川 宜久岩野 信吾山本 徳則
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抄録

近年,医用画像を用いた医療診断において,深層学習モデルを用いて診断支援を行う試みが増えている.本研究では,診断前のスクリーニングを目的として,腹部CT画像から腎腫瘍の自動検出を行う畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の構築を考える.腹部CT画像に基づく腎臓の診断では造影剤を使用する場合が多く,専門医は造影剤投与前に撮影されたCT画像(単純CT画像)と投与後に一定の間隔で撮影された数枚のCT画像(造影CT画像)を用いて腎臓の診断を行う.造影剤は腎臓の組織間の造影を増強して診断を容易にするが,造影剤へのアレルギーや造影剤投与による腎機能の悪化が問題視されている.そこで本研究では,既に撮影された単純CT画像と造影CT画像のペアから学習した画像変換モデルpix2pixを用いて人工の造影CT画像を生成することで,造影剤なしに腎腫瘍を自動検出することを考える.また,CNNは単純CT画像と造影CT画像を同時に入力(多相化)して安定した予測を狙う.実験では,実在の単純CT画像と人工の造影CT画像を入力とする多相CNNの予測精度が実在の単純CT画像のみを入力とする場合より向上することを確認した.

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© 2022 人工知能学会
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