筆跡特徴量余韻を用いたLSTMに基づくオンライン署名認証

抄録

近年，インターネットやコンピュータ，携帯電話などの情報技術が急速に発展している．鍵やパスワード，カードなど所持や記憶を必要としない生体認証は，高い安全性を持つ．特に，筆跡認証は受容性が高く，登録情報を変更可能な点からも普及が期待されている．従来，筆跡ストロークを用いた筆跡認証では，識別対象の署名を最後まで書き切る必要があり，実時間処理において遅延原因となっていた．本研究では，時系列予測に広く利用されているLong short-term memory(LSTM)を用いることで，全ての筆跡ストロークを利用せず中途予測によって識別を可能にする手法を提案した．本研究により，筆跡認証における利便性向上と認証精度向上の双方が期待できる．