人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第36回 (2022)
セッションID: 4O3-GS-4-03
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異端のレビューはより有用な情報を提供できる:オンラインレビュー作成における集合知のメカニズムに関する解析
*楊 鯤昊植田 一博
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抄録

集合知の活用において、大規模なオンラインレビューから有用な情報を抽出することは重要な課題となっている。本研究では、オーソドックスな観点を表すレビューと比べて、異質な観点を表すレビュー(以下、異端のレビュー)がより有用な情報を提供できるかどうかを分析した。あるオンラインレビューのデータセットを、感情分析、表現学習モデルとシミュレーションを用いて分析することで、本研究では、異端のレビューは客観的で独自な情報を多く提供するため、オーソドックスな観点を表すレビューと比べて、より有用なことがわかった。その上、オンラインレビューの作成において、異質な観点を表す際に、レビュアーが同調圧力をかけられて、説得力がある証拠(多くの客観的で独自な情報)によって異質な観点を裏付けるようにより強く動機付けられていると考察した。本研究では、大規模なオンラインレビューから有用な情報を抽出するための有効な手法を提案した。さらに、集団行動において、同調圧力はバイアスをもたらす原因だと考えられてきたが、本研究は、オンラインレビューの作成において、同調圧力は有用な成果を引き出すことができることを明らかにした。

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© 2022 人工知能学会
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