不動産業において重要な課題である「情報の非対称性」の問題に対し,多くの従来研究では,回帰手法を用いて推定精度の高い住宅の価格決定構造の可視化を行うことで解決を図ってきた.しかし,時間経過による価格決定構造の変化に対応しているモデルはほとんどない.本研究では,カルマンフィルタを用い説明変数を状態として捉えることで,時間経過による価格決定構造の変化を可視化できることを示す.また,LIFULL HOME’Sデータセットのうち2年分の東京都23区の新築戸建住宅を対象として実験を行い,推定初期において推定の安定性に欠けることが観測されたが,地理的加重回帰モデルと比較してMSEと実行速度ともに優れた結果であることを確認している.