人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 1N3-GS-10-04
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周波数領域での最適輸送による心電図データ拡張
*助田 一晟
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抄録

医療分野において自動診断は幅広く研究されており、特に症状の有無をラベルとした分類問題は代表的なアプローチの一つである。心電図(ECG)からの心臓病検出にも教師あり機械学習を適用する研究が盛んで、近年特にニューラルネットワークベースのモデルが高精度を記録している。しかし、これらの学習ではアノテーションコストやラベルの不均衡性がしばしば課題となる。特に、医療領域においてはラベリングに専門知識を必要とする上、正例が負例に比べて極端に少ない場合が多く、高品質なデータを大規模に用意するには困難が伴う。このような課題に対しデータ拡張法が有効となる場合がある。データ拡張とは元のデータとラベルのペアに対して摂動など一定の操作を施し人工的なデータを作成することである。本研究では限られた数のデータしか利用できない状況での左室駆出率(LVEF)低下検出の精度向上を目指しデータ拡張を行う。データ拡張は画像処理分野では研究が多いが時系列データに対する事例はまだ少なく発展途上である。本発表では、ECGの周波数領域における最適輸送を用いて複数データを合成し拡張されたサンプルを得る手法の有効性を報告する。

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© 2023 人工知能学会
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