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細川 蓮, 山田 優生, 小川 祐樹, 上田 健太郎, 諏訪 博彦, 梅原 英一, 山下 達雄, 坪内 孝太
セッションID: 1B3-GS-2-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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近年,個人で資産を形成するために,株式投資による人々の投資行動の需要が高まっている.株式投資において,将来の市場の動向を予測することは,投資家の投資リスクの低減や収益のために重要である.金融指標の一つに,ボラティリティ・インデックス(以下,VI )があり,これは投資家の市場に対する心理状態を表している.一方で,新聞メディアやソーシャルメディアの投稿には,社会情勢や人々の心理状態などを表しており,これらは,VI 指数に影響していると考えられる.本研究では,新聞記事とソーシャルメディアの投稿文書を用いて,日本における VI である日経平均VIの上昇を予測する.さらに,本研究の有用性を検証するために,予測した日経平均VIを用いてオプション取引の売買シミュレーションによる検証を行う.結果として,両メディアを用いることで日経平均VI上昇の予測精度の向上が確認され,売買シミュレーションにおいても収益に対する有用性が確認された.
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加藤 弘也, 菅原 聖太, 植野 真臣
セッションID: 1B3-GS-2-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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分類は, 機械学習分野における中心的問題であり, 分類器を用いて行う. 分類精度の高い最も有力な分類器の一つとしてベイジアンネットワークを用いた分類器(BNC)が知られている. 近年の研究において, ベイジアンネットワーク分類器の一つである目的変数が親変数を持たず, 説明変数が必ず目的変数の子となるAugmented Naive Bayes (ANB) 構造を制約とする周辺尤度を用いたBNCの厳密学習が提案されている. この手法は, 他のBNCに比べて高い分類精度を持つことが示されている. ただ, この手法は真のモデルがBNに従わない場合, 真の分類確率に収束する保証がない. さらに, 分類に影響する目的変数パラメータ数(NCP)が最小になる保証もない. そこで本研究では, 真のモデルがBNに従うか否かによらず, NCPを最小化して真の分類確率に漸近収束する構造の学習手法を提案する. 提案手法は, 周辺尤度を用いた厳密学習よりも高精度に分類確率を推定できる. ベンチマークデータによる比較実験により提案手法は従来手法よりも高精度かつ高速な構造学習を実現できることを示す.
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木村 大地, 泉谷 知範
セッションID: 1B3-GS-2-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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需要件数, 商品販売数, 金融市場における取引回数に代表される長期時系列カウントデータに対する予測は様々な事業分野において重要である. このようなデータには, 時間依存性, 非線形性, 非ガウス性, ゼロ過剰, 非負離散値といった特徴がある. 本研究では, ゼロ過剰なカウントデータに対する時系列予測モデルを提案する. 時系列性を考慮し長期予測を行うために, Transformerベースの長期時系列予測モデルInformerを活用する. さらに, ゼロ過剰カウントデータの特徴を扱うために, ポアソン分布とベルヌーイ分布を仮定しInformerモデルを拡張する. 2種類の人工データと2種類の実データ, それぞれに対して実験を行い予測精度を検証した. 本手法は, 長期カウント時系列データの傾向をとらえた予測が可能であり, 多くの実験条件において最も優れた性能を示した.
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石井 達也, 土屋 希琳, 楊 添翔, 後藤 正幸
セッションID: 1B3-GS-2-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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近年ECサイトの普及に伴い,蓄積された購買履歴データから顧客の特性を分析し,マーケティングに活用することが企業にとって重要な課題になっている.そのための手法として,顧客と商品の埋め込み表現(高次元の実数値ベクトル)を用いてその特性を表現する方法が注目されており,ニューラルネットワークを用いて埋め込み表現を学習するuser2vecはその代表的な手法である.しかし,user2vecでは顧客や商品の補助情報を活用していないことや,顧客と商品の関連付けが明確には行われないことが課題として挙げられる. より正確に顧客と商品の特性を捉えるためには,顧客と商品の特徴を表す補助情報を考慮し,商品に対する関連性を顧客ごとに評価することが有効であると考えられる.そこで本研究では,顧客と商品固有の埋め込み表現と補助情報の埋め込み表現を同時に学習することによって補助情報を考慮しつつ,Attention機構を用いて顧客と商品の関連付けを行う手法を提案する.また,購買履歴を想定した人工データを用いて評価実験を行い,提案手法の有効性を示す.さらに,実際の映画評価データに提案手法を適用し,顧客特性分析の事例を示す.
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米倉 頌人, 今井 竣祐, 西山 慶彦, 菅澤 翔之助, 郡山 拓也
セッションID: 1B3-GS-2-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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累乗化された新しいカーネルを用いたカーネル密度推定を紹介する.我々の手法では2つのハイパーパラメーターがあり,これらで推定された密度の滑らかさをコントールする.ヒバリネンスコアを最小化することによって,この2つのハイパーパラメーターを推定する手法を提案し,非漸近的・漸近的性質を明らかにする.また所得データを用いたシミュレーション結果も紹介する.
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永井 裕也, 田島 彩音, 中村 博光, 東園 雄太, 小野 智司
セッションID: 1B4-GS-2-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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自動車車体の塗装を行うロボットアームの経路設計は,技術者がシミュレータを用いながら数週間から数ヶ月 の時間をかけて設計を行っており,自動化や設計時間の短縮が求められている.車体の溶接作業などを対象とした複数のロボットアームの経路設計をする手法は広く研究されているが,車体の塗装問題は,ライン上を移動する車体を停止することなく塗装を行う,また,塗装の品質を保つために塗装順に制限があるなどの独特な制約条件を考慮する必要があるため,従来手法を直接応用することが困難である.本研究は,複数のロボットアームを用いた自動車車体の塗装経路設計を進化計算により自動的に設計を行う手法を提案する.提案手法は,特有の制約条件を追加した配送計画問題の類似問題として本問題を定式化する.また,多様な制約をその特性に応じて最適化の各プロセスで個別に扱う点に特徴がある.実際の塗装工程を簡略化した2Dシミュレータを用いて評価実験を行い,車体の側面を4基のアームで塗装する経路設計を試みた.提案手法は複数の制約を考慮して経路を設計することができ,専門の技術者が設計した経路と類似する経路を設計できることを確認した.
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清水 成, 中村 友香, 山極 綾子, 後藤 正幸
セッションID: 1B4-GS-2-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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顧客ニーズの多様化に伴い,企業は顧客グループ毎に適切な施策を講じることが重要となっている.そのためには,特徴に応じて顧客を分類する顧客セグメンテーションが必要である.従来,顧客セグメンテーションにはk-means法などのクラスタリング手法や決定木などの分類モデルが用いられてきた.しかし,これらの手法は顧客ごとに異なる施策の効果を決める要因を十分に考慮しているとはいえない.顧客セグメンテーションの本来の目的は,セグメントごとに適切な施策を講じることで施策効果を向上させることである.従って,施策効果を決める要因が類似したセグメントを形成することが求められる.そこで本研究では,機械学習モデルの解釈手法で知られるSHAP値ベクトルを用いたクラスタリングを行うことで,施策によって期待される効果(アウトカム指標)への特徴量の影響の仕方が類似した顧客同士をセグメント化する手法を提案する.これにより,施策効果を決める要因の類似性を考慮することが可能となるため,顧客セグメント毎に最も効果的な施策を講じることが可能になる.本研究では,人工データを用いた実験を行い,提案手法の有効性を示す.
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辻 駿哉, 村上 諒, 庄野 逸, 本武 陽一
セッションID: 1B4-GS-2-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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自然現象の多くは勾配系と呼ばれる,状態のみに依存するポテンシャル関数の勾配に従う系としてモデル化できる.科学者は,様々な未知の現象に対して,現象に矛盾せず,現象の代表的な特徴を反映したようなポテンシャル関数の縮約モデルを構築してきた.しかし,このようなモデル化は,多くの実験や膨大な専門知識が必要となり,非常に困難である.そこで本研究では,データ駆動的に縮約ポテンシャルを推定し,それが現象に矛盾しない,かつ有用な特性を含むことを検証する一連の枠組みの提案を行う.まず,我々はHamiltonian Neural Networks(HNN)を参考にした深層学習モデルによってデータ駆動で未知の物理現象の縮約ポテンシャルを推定する.次に,得られた縮約ポテンシャルの妥当性を検証し,現象を記述する上で有用な情報を抽出することを試みる.本稿では,本研究の提案枠組みの有用性を検証する一例として,提案枠組みを磁区パターン形成過程の数値計算データに適用した事例を紹介する.
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鈴木 匠海, 越川 駿平, 高橋 達二, 甲野 佑
セッションID: 1B4-GS-2-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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近年,人工知能技術の一つである機械学習の中で,特に意思決定則(方策)を学習する手法である強化学習とさまざまな機械学習タスクで驚異的な性能を実現している深層学習を組み合わせた深層強化学習が注目されている.実際,囲碁や Atari というビデオゲームにおいて,人間よりも高いパフォーマンスを見せている.一方で,限定された環境の範囲を超えた実世界タスクへの応用は進展が遅く,別のアプローチも必要となる可能性がある.そこで我々は希求水準を設定し報酬に質を見出す自然強化学習に着目した.自然強化学習では人間の合目的的な性質を探索に取り入れており,自然強化学習のアルゴリズムである Risk-senstive Satisficing (RS) においてテーブル型強化学習ではすでに一定の合目的的な探索とその効率性が示されている.しかし,現状の RS は決定論的な方策であり,深層強化学習に用いられる確率分布を利用したアルゴリズムへの応用に困難がある.そこで本研究では RS を深層化するに当たって,決定論的な方策を確率的に拡張し,既存のテーブル型強化学習のタスクと同等の優れた成果が得られているのか検証した.
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越川 駿平, 久米 淳, 樋口 滉規, 高橋 達二, 太田 宏之
セッションID: 1B4-GS-2-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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海馬は過去の経験をリプレイする脳領域であることが知られている. 深層強化学習の文脈において, 従来, このリプレイのアイデアは主に人工ニューラルネットワークの学習に用いるデータのサンプル効率の向上ならびにサンプル間の独立性を保つために用いられてきた. しかし近年の神経科学研究の進歩により, 海馬によるリプレイは行動の直前に発生すること, また, 過去の経験の中から想起された現在位置を起点とした移動経路に基づいて最善の移動経路を選択するプランニングに関与していることがわかってきた. 本研究ではその知見に着想を得ることで、Deep Q-Network(DQN)の枠組みにおいて, 過去に観測した情報を保持するリプレイバッファの中から現状態と類似した状態を起点とする軌跡を検索し, そのN-step rewardを現状態における行動価値に上乗せすることで行動選択に反映する仕組みを提案した. CliffWalkingを用いたシミュレーション実験の結果、提案手法を用いることで, 通常のDQNよりも早期の収益最大化が促進されること, また, より少ないステップ数で終端状態に到達可能となることが確認された.
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財前 貴一, 濱田 直希, LIU Likun, SAKURAI Daisuke
セッションID: 1B5-GS-2-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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Elastic Net はスパースモデリングの基本的な手法であり、そのハイパーパラメタチューニングは、ベジエ曲線の高次元拡張であるベジエ単体という幾何図形を利用して効率化できることが示唆されている。しかしながら、既存手法では、ベジエ単体を利用するのに、高次の多項式近似を用いた、多量の訓練時間が前処理として必要となってしまう。そこで、今回は、ベジエ単体を細分することで前処理を効率化するアプローチを提案する。この細分によって、Elastic Netの解を構成する空間の学習を部分問題に分割し、それぞれの問題を低次の多項式回帰問題にすることができることを示す。
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中村 祥大, 横田 理央
セッションID: 1B5-GS-2-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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深層学習モデルとデータセットの増大により分散並列学習が必要になっている。データ並列化は各GPUがモデルを冗長に持ち、バッチを分散させる最も容易に実装できる分散学習手法である。しかし、GPU数が増えるとバッチサイズもそれに比例して増大しSGDのもつ陰的正則化効果が失われることで汎化性能が低下する。本研究では、勾配のノルムによる正則化を行うことでこのラージバッチ問題を緩和することを目指す。
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佐久間 啓太, 松野 竜太, 亀田 義男
セッションID: 1B5-GS-2-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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産業分野の様々な課題に対する機械学習の適用機会の増加に伴い、MLOpsと呼ばれる継続的なモデル運用を支援する技術に注目が集まっている。MLOpsを通してモデルを継続的に改善・運用するためには、「モデルが低性能」や「予測対象が異常サンプル」などのモデルの予測誤差の要因を見つけ出し適切な施策を講じる必要がある。 さらに、各予測誤差要因が予測誤差にどの程度影響しているのかを定量的に評価することで、各要因に対応する施策の有効性を予め検討することが可能になる。本研究では、運用データの1つのサンプルに対する予測誤差を複数の予測誤差要因からの寄与度の和に定量的に分解する手法を提案する。提案手法は、まず、予測誤差要因に関係する複数の指標を算出し、次に予測誤差を回帰するモデルを作成する。最後に、作成した回帰モデルを用いて予測誤差を分解することで、各予測誤差要因の寄与度を算出することができる。オープンデータを用いた数値実験を通して提案法の有用性を検証した。
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ガラムカリ 和, 杉山 麿人
セッションID: 1B5-GS-2-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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テンソルを低ランクテンソルで近似する低ランク分解は,目的関数の非凸性の為に,多くの場合で大域解を求めることが困難である.本研究ではテンソル分解で用いられてきたランクの代替となる概念として,モード間の相互作用を提案し,相互作用が削減されたテンソルで元のテンソルを近似する分解(テンソル多体分解)を凸問題として定式化する.テンソルを添字集合が標本空間であるような同時分布とみなし,その自然パラメータを適切に削減することで,モード間の相互作用に着目した分解が定式化できる.自然パラメータの削減された空間の平坦性が,分解前から分解後のテンソルのKL情報量を大域的に最小化する凸で高速な最適化を可能にする.更に本研究ではテンソルのモード間の相互作用を直感的に記述する相互作用表示を導入し,これをテンソルネットワークに変換することで,提案手法と従来の低ランク分解との関係も明らかにする.具体的には,相互作用を適切に取り入れた場合のテンソル多体分解が拘束条件付きのテンソルリング分解とみなせることを示す.
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柴原 琢磨, 竹下 孔喜
セッションID: 1B5-GS-2-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本研究ではPareto解集合が非凸集合である場合でも,各Pareto解に対応する複数の方策を学習することを可能とする多目的強化学習アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムでは,複数の目的関数の値をhypervolumeに変換し,WatkinsのQ-learningを適用してPareto解集合が形成するハイパーボリュームを増加させる方策を獲得することができる.また,再学習することなく,ユーザが望むPareto解に至る方策を実行することができる.本研究では古典的な表形式のアルゴリズムと,Deep Q-learningを用いて表現された2つのバリエーションを紹介する.多目的強化学習の代表的なベンチマーク環境であるDeep Sea Treasureを用いた実証評価により,Pareto解集合が非凸である設定において,提案アルゴリズムが全てのPareto解を導く方策を獲得できることを示す.
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野口 輝, 塔村 俊介, 吉田 琉夏, 松崎 拓也, 藤原 誠
セッションID: 1E3-GS-6-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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ニューラル言語モデルと型推論を組み合わせることにより, 数学テキスト中の数式の型を予測することを試みた. 予測された数式の型は, 数学テキストを入力とする自動演繹や数式検索などで利用できる.まず,ひとつの数式から型定義に基づき,型の候補を複数列挙する.一般に数式には複数の解釈が存在するため,文脈がない限り型を完全に判断することはできない.次に, テキスト中の数式を日本語とともにニューラル言語モデルに入力し, 数式中の変数および数式全体の型をスコアとともに予測する. 最後に, 複数の型の候補のうち, 最もスコアが高い型を選択する. 実験では大学入試問題を用いて, ニューラル言語モデルのみを用いた統計的な型予測に対し, 更に型推論を組み合わせることの効果を検証した.その結果,統計的な型予測よりも型推論を併用した場合の方が,精度が低下した.型推論が有効に働かなかった主な原因は,構文解析の失敗と考えられる.
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鈴木 雅弘, 坂地 泰紀, 和泉 潔
セッションID: 1E3-GS-6-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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投資や企業分析において,伝統的に用いられてきた財務情報や経済指標などのデータに対して,今まで利活用の少なかったテキストデータの利用が進んでいる.金融ドメインにおける自然言語処理の研究では,ある一時点の文書の分析や評価が多く,時系列にわたる分析は一時点の評価を並べたものが主になっている.決算短信や有価証券報告書など,金融ドメインでは定期的に様々な文書が発行・公開されている.投資家を始めとしたこれらの文書の読者は,企業について継続的に注目し,同じ企業の文書について前回発行時からの変化に着目することが多い.多くの銘柄を運用する投資家にとって,それぞれの企業について二時点に存在する文書を隅々まで読み込み,変化した点を見つけることは容易ではない.本研究では,時系列に並ぶ2つの文書に対し,前回発行時の文書との差分や変化を抽出するタスクを提案する.具体的には,同じ企業について書かれた2つの金融文書を用い,同じ項目について書かれた箇所を抽出する.抽出した箇所について,人手によって2文書間の差分を抽出する.また提案したタスクに対し,事前学習言語モデルを実際に適用した評価実験を行う.
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瀬川 修
セッションID: 1E3-GS-6-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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研究開発においては,関連研究をサーベイする中で,先行事例が参考になることが多い.しかしながら,個々の研究者が精読できる論文数は限られており,昨今の情報爆発とも言える時代に網羅的に情報収集を行うことは困難である.最近では英語の学術論文を対象としたオープンアクセス論文投稿サイトが注目を集めており,質量ともに有用な知識源になっている.このような知識源に基づき特定分野の膨大な研究事例から対象問題に対するアプローチであるアイデアや手法に関する技術情報が参照できれば大変有用性が高いと考えられる.そこで,本研究では大規模な論文テキストを知識源として,検索質問に対する参考情報(アルゴリズム名や手法に関する重要文)を提示する情報推薦技術の検討を行い,大規模な英語論文アーカイブを用いた評価実験によって提案手法の有効性を確認した.
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生駒 流季, 松原 茂樹
セッションID: 1E3-GS-6-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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学術文献の影響力を示す代表的な指標として文献の被引用数がある。しかし、ある論文における被引用文献の貢献は様々であり、文献の影響力を正しく測定するには、論文ごとにその引用文献の貢献の大きさを定量化する必要がある。そこで本論文では、学術論文における被引用文献の重要度を評価する手法を提案する。本手法では、引用箇所を含む文のテキスト情報を利用する。引用箇所を含む文に含まれる被引用文献に関する記述を識別し、その情報を重要度の評価に用いる。論文データを用いた実験により、引用された文献に関する記述に関する情報が重要度評価に有用であることを確認した。
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浅野 聖也, 磯沼 大, 浅谷 公威, 野村 美鈴, 森 純一郎, 坂田 一郎
セッションID: 1E3-GS-6-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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近年,言語モデルを知識ベースの代わりに使用することを目的とした研究が多く行われている.言語モデルは構造化された知識ベースと比較して,多くの利点がある.例えば,人手による情報の属性や関係の定義が必要なく,より柔軟かつ効率的に多くのデータを検索することができる.しかし,その性能は発展途上であり,また複合名詞の予測ができないなど,実用段階に至るまでには多くのハードルを残している.本研究では,特に化学に関する専門的な複合名詞の知識に焦点を当て,特定の領域の知識をどの程度正確に抽出することができるか調査を行なった.具体的には,T5を生医学分野の論文で追加学習したSciFiveを利用し,さらにScopusに含まれる抄録データで追加学習を行うことで,化学に関する専門知識の抽出精度向上を図った.追加学習に用いたデータ量によってどのように精度が変化するかを確認した結果,少ない学習データでは精度が低下した一方で、比較的多い学習データでは精度の向上が見られた.以上の結果は,言語モデルから知識を抽出する試みのさらなる可能性を示している.
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五百川 展行, 谷中 瞳
セッションID: 1E4-GS-6-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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近年,異なるモダリティ間での推論が盛んに研究されている.本研究では,マルチモーダル推論の重要なタスクの一つであるVisual-Textual Entailment (VTE)を対象とする.VTEは画像と文章との間の含意関係を認識するタスクである.VTEタスクを解く手法として,深層学習を使った様々な手法が提案されているが,それらは数量を正確に扱うことに課題がある.一方で,論理推論に基づく手法では数量を頑健に扱えるが,既存手法では自動定理証明器を用いており,大きな数量を伴う推論を行う際に高い計算コストが必要となる.そこで,本論文ではモデル検査と知識補完を用いたVTEシステムを提案する.提案手法では,まず画像と文を一階述語論理のモデルと論理式にそれぞれ変換する.そして,必要な知識を補完して画像のモデルに対して文の論理式の真偽をモデル検査で判定し,論理推論を行う.また,提案手法の性能を評価するために,数量や否定を含むVTEタスクの評価データセットを構築する.このデータセットを用いて,提案手法が従来の手法よりも数量や否定を含むVTEタスクを頑健に解けることを示す.
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杉本 智紀, 尾上 康雅, 谷中 瞳
セッションID: 1E4-GS-6-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
フリー
時間に関する自然言語推論は事前学習済み言語モデルにとって挑戦的なタスクである.そのため,これまで様々な評価用データセットが構築されてきた.しかし,既存のデータセットは主に英語を対象としており,他言語を扱ったものは少ない.そこで本研究では,時間推論に関する日本語NLIベンチマークを構築する.提案手法では,まず形式意味論のテストセットに基づいて様々な推論パターンからなる時間推論テンプレートを作成する.次に,テンプレートに対して日本語格フレームを用いて動詞や名詞,時間表現を自動で割り当てることで,多様な時間推論の問題を生成する.構築したデータセットを制御して分割し,言語モデルの学習・評価に用いることで,時間推論パターンや時間表現における多言語・単言語の言語モデルの汎化性能を評価する.実験により,既存の言語モデルは習慣などの特定の言語現象の理解に課題があることを示す.
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田屋 侑希, 小林 一郎
セッションID: 1E4-GS-6-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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ヒトは、2つの物体が衝突する場面において、物体の特性である質量やスピード、地面の状況等の環境を考慮して、物体が衝突する様子を予測することができる。また、物体の特性や環境が自然言語文でのみ与えられている場合でも、ヒトは経験や物理常識から、衝突状況を自然言語文で表現することが可能である。一方、汎用言語モデルを用いた推論では、自然言語で明示的に記述されていない物理常識を考慮した推論が難しいという課題がある。 本研究では、CLEVRERのデータセットを元に、物理環境における因果性にまつわる常識が記述された自然言語データセットを作成し、それを用いて物体の特性と物理環境から得られる情報を元に物体同士の衝突後の様子を自然言語で推論を行う。これにより、物理世界に生じるイベントの予測を言語で行い、記号世界での推論にとして表現する手法を構築する。
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張 辰聖子, 持橋 大地, 小林 一郎
セッションID: 1E4-GS-6-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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人間が行っている推論は論理的な含意関係だけではなく, 日常的な知識を背景にした常識推論が大きな役割を果たしている. 本研究はこの際の知識を, 複雑な内容を表現できる自然言語文自体ととらえ, 「から」「ため」のような手がかり表現を利用することで, 前提と帰結がともに文となる自然言語推論をコーパスから深層学習モデルとして直接学習する. コーパスから抽出した157万の前提と帰結のペア文に対して前処理を施し、推論が妥当であると思われるペア文についてT5を用いて学習し, 自然言語文生成によって非論理的な言語推論を構築した。テストデータにおいて, 前提から生成した帰結文について人手評価を行い、さらに妥当な帰結が得られなかった原因について考察し, 改善と今後の可能性について議論する.
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富張 聡祥, 谷中 瞳
セッションID: 1E4-GS-6-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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文間の含意関係を判定する含意関係認識は、質問応答や機械翻訳などに応用される自然言語処理の重要なタスクの一つである。論理推論による手法は否定や数量などの言語現象を扱える点と含意関係の判定に至る過程の解釈性が高い点で機械学習を用いた手法より優れている。一方で、文間の含意関係の認識に必要なフレーズ間知識の補完が重要な課題である。そこで、本研究では、視覚に基づく表現が人間による含意関係の判定を容易にするという直感に基づき、視覚に基づくフレーズ表現の比較によってフレーズ間知識を補完する手法を提案する。提案手法では、まず、論理推論の過程から補完する知識の候補となる前提と結論のフレーズを得た後、Vision-and-Languageモデルを用いて、それらの視覚に基づく表現を画像またはモデル内の埋め込みベクトルの形で得る。そして、得られた表現を比較して、知識を補完するか否かを決定する。視覚に基づく表現の比較では、単純な類似度に加えて含意関係という非対称的な関係を考慮する。SICKデータセットを用いた実験の結果、提案手法を用いた論理推論システムは、提案手法を用いない場合と比べて正答率が向上した。
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川本 稔己, 田代 真生, 中本 高道, 奥村 学
セッションID: 1E5-GS-6-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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自然言語の意味を理解するには単語やフレーズといった言語と実世界の様々な情報の繋がりを理解する必要がある.実世界の情報の1つとして,匂いの情報がある.先行研究では,word2vecから得た単語埋め込み表現が匂いの情報を獲得しているか調査を行った.しかし,一般的なコーパスで学習を行った手法は匂いに関するコーパスの少なさから匂いの情報を多く保持できていない.本稿では,事前学習済み言語モデルに対し,匂いに関するドメインアダプテーションと,単語レベルの対照学習を行うことで,匂い情報を獲得する手法,TOLEを提案する.実験の結果,TOLEは匂いに関する記述子の匂いの埋め込み表現と言語の埋め込み表現の類似度が向上することを確認した.
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野呂 悠斗, 砂山 渡, 服部 峻
セッションID: 1E5-GS-6-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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近年,SNSの普及により,テキスト形式でのコミュニケーションをする機会が増加している. しかし,特に仲が良い相手以外との対話の場面では,返信に戸惑ったり,ぎこちないやり取りが続くケースも見られる. そこで本研究では,相手が発信したコメントに対して,自身の返信の冒頭に,端的な相槌を挿入する支援を行う. これにより,対話のやり取りに円滑さを生じさせ,対話相手に対する印象の改善を図る.
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前田 雄之介, 井之上 直也, 岡田 将吾
セッションID: 1E5-GS-6-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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被面接者にとって面接訓練は重要である.我々は面接回答の質を推定し,改善点をフィードバックするシステムの開発に取り組んでいる.改善点のフィードバック機能を実現するためには,発話内容の構造を理解する必要がある.本研究では,就職面接において高い評価を得るのに効果的な構造として知られている PREP法で用いられる4つのラベル:「結論」,「理由」,「具体例」,「まとめの結論」を,付与するアノテーションスキームを提案する.PREPの構造と面接官の評価の関係について分析した結果亜ノテーションスキームの課題について報告する.
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門戸 巧, 峯尾 海成, 山岸 祐己, 谷口 ジョイ
セッションID: 1E5-GS-6-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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静岡県地域の方言は,共通語にはない多様な語彙や表現形式を擁する点において注目に値する.静岡方言には「〜ツラ」「〜ズラ」「〜ダラ」「〜ラ」といった複数の推量表現が存在する。本研究では,こうした推量表現の使用・理解について大規模調査を行い,「多項分布型レジームスイッチング」及び「多群出現順位統計量」という分析手法によって,過去にどのような変化が生じたのかを推定した上で,今後の変化傾向を予測することを目的としている.調査の結果,推量表現「~ツラ」は,ほぼ消滅し,「~ズラ」についても衰退傾向が顕著であることが明らかとなった.また,こうした変化は今後も継続することが示唆された.さらに,客観的根拠に基づいた推量表現については,中年層において「~ダラ」の使用が多く見られることが分かった.一方,若年層においては方言形の使用が低下しており,これは話者判断に基づく推量表現「~ラ」についても同様の結果となった.方言研究におけるデジタルデータの活用は十分ではなく,情報学との分野融合的な研究も立ち遅れている.今後,人文学分野におけるデータサイエンスの手法を展開していくためにも,本提案手法は意義深いと言える.
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齊藤 新, 関 歩実, 丹治 涼雅, 松崎 拓也
セッションID: 1E5-GS-6-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
会議録・要旨集
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本研究では新聞記事を要約する都々逸を生成し,歌わせる手法を開発した.具体的には,新聞記事の見出しを都々逸のモーラ数に合うように修正して教師データを作成し,T5 を訓練してモーラ数制約を加えたビームサーチにより都々逸を自動生成する.その結果,約 96% の記事に対して定義通りの都々逸を生成することができたが,要約としての品質は,比較として行った見出し生成訓練により自動生成した見出しに比べ, ROUGE-1 の prec が同程度,recall が約半分となった.また,DiffSinger に改良を施すことで従来のものよりロングトーンが安定した都々逸音声を作成することに成功した.
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水上 雅博, 杉山 弘晃
セッションID: 1E5-GS-6-06
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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対話システムの研究において,特定の話者を再現する研究がなされている.これらの研究では,話者らしさの評価はその目標話者をよく知る評価者による主観評価が主流である.一方で,クラウドソーシングやWeb上から集めたコーパスを用いて話者を再現する場合などは,その目標話者をよく知る評価者を探して評価を依頼することは難しい.そこで,本研究では目標話者を知らずとも目標話者らしさを評価する方法として,2つの対話を比較し,対話中の任意の2話者が同じ話者であるかどうかを推定する,話者同一性判定のタスクを提案する.話者同一性判定タスクを人手で評価し,その結果から目標話者らしさを評価する方法としての妥当性を考察する.また,話者同一性判定タスクを解くベースラインモデルを検討し,その性能を報告する.
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相澤 景, 鈴木 琢也
セッションID: 1F3-GS-5-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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企業‧組織における感染症対策として,接触機会の抑制がある.一方で,感染状況は日々変化するため,画一的な接触機会の抑制は過度な対策となりビジネス上の機会損失の発生にもつながりうる.企業‧組織が時間軸上で接触機会の強度を適切に計画できれば,必要な感染症対策を行いながら,機会損失の発生を有効に予防する経営が実現できる.そこで,本研究では,個々の組織の特性に応じて時間軸上での接触機会の強度を計画する方法を提案‧評価する.提案方法では,組織が許容できる感染者数を達成するための接触機会の強度のタイムラインを,エージェントベースモデルによる感染シミュレーションと逆解析手法を組合せて探索する.シミュレーション実験を行い,目標感染者数タイムラインを実現する接触強度のタイムラインを得ることができることを示した.提案方法は,社会的距離の確保のような感染症対策について,メリハリのある期間計画につながり,組織レベルでの感染症対策の計画に有用となる.
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鶴島 彰
セッションID: 1F3-GS-5-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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屋内からの避難において、避難標識などの視覚情報を利用して効率的な避難を支援する方法がこれまで一般的であった。近年、動的に避難情報を変化させることで、つねに変化する避難環境への適応や、避難中に発生する混雑の緩和などを目的とした、動的な避難標識を使った避難誘導システムの有効性が議論されるようになってきた。災害避難時の過酷な環境を考慮すると、このようなシステムには頑強性が求められ、一部の構成要素の機能不全によりシステム全体の機能が大きく影響されるような設計は望ましくない。このことから、このような避難システムには、全体を制御する機構を持たず、各避難標識が独立に機能する分散処理が適していると考えられる。本稿では分散的に機能する避難標識とセンサーからなるシステムを想定し、このようなシステムの群衆避難における有効性を検討する。同調行動を行う避難エージェントを使った分析の結果、避難中の混雑緩和に関しては静的な避難標識を使ったシステムに対して避難時間を短縮できることが分かった。さらに避難中に変化する避難経路についても有効な避難を支援できることが分かった。
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安東 稜人, 東藤 大樹, 横尾 真
セッションID: 1F3-GS-5-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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施設配置ゲームは近年のアルゴリズム的ゲーム理論に関する理論の発展の中で,最もよく議論されたモデルの一つである.中でも中位投票者メカニズムは社会全体の厚生を最大化させる意思決定メカニズムとして知られている.一方,情報伝播を伴うメカニズム設計は,マーケットデザイン理論の新たなパラダイムとして知られている.本研究では施設配置ゲームのためのメカニズム設計において,情報伝播の影響を分析する.まず,特定のクラスの耐戦略的なメカニズムに関する不可能性定理を示したあと,耐戦略性を満足するメカニズムを二つ提案し,その特性を詳細に分析する.
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北澤 正樹, 高橋 聡, 吉川 厚
セッションID: 1F3-GS-5-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本研究の目的は、感染状況下の生産現場を対象として、感染症に関するパラメタが様々に変化した際に生産継続に必要なバックアップ作業者数を明らかにすることである.生産現場で安定した生産を行うためには稼働に必要な人員を常に確保しなければならないが,感染症下では感染の広がりに応じて刻々と変化する休業者に対応するために,生産継続には作業者数に余裕を持たせておくことが重要となる.本研究ではAgent-based modelingによる生産現場の感染シミュレータを用いて,感染症に関するパラメタとしてウイルス種類2種類,マスク着用状況3種類,バックアップ実施ポリシー2種類を設定してバックアップ作業者数の変化を比較した.結果より,バックアップ作業者数の推定には感染症ウイルスの各症状期間も含めたパラメタを設定することが重要,マスク有りでも生産現場の10-25%程度のバックアップ作業者の確保が必要,バックアップ実施ポリシーは感染確率を減少させる取組と組み合わせて決定することが必要,という点が明らかになった.
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秋山 直毅, 藤井 秀樹, 吉村 忍
セッションID: 1F3-GS-5-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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セグウェイや電動スクーターに代表されるパーソナルモビリティは、近年新しい移動手段として注目されている。2022年、日本ではパーソナルモビリティに関する法律の改正が公布された。法律改正ではパーソナルモビリティの自転車道通行が認められ、速度制限をかけて歩道を通行することも検討されている。パーソナルモビリティが歩道を通行する場合、歩行者に影響を与えることが予測される。歩行者に対するパーソナルモビリティの影響評価をするためには、微視的シミュレーションが有効な手段の1つである。本研究ではもともと歩行者のシミュレーションに用いられていたSocial Force Modelを応用することで、複数のパーソナルモビリティと歩行者の混合交通のマルチエージェントシミュレーションを実行した。シミュレーションでは、歩行者密度に対するパーソナルモビリティの挙動の違いを表現することができた。今後このシミュレーションを活用して、安全性や効率性の評価を行う。
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池田 樹生, 伊藤 孝行
セッションID: 1F4-GS-5-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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自動交渉技術は,利害関係や目的の異なるエージェント同士が交渉することで,互いに合意可能な結論を探索する技術であり,人間同士の交渉を代行する,または支援することが目的である.既存の自動交渉技術の課題は,合意に達すれば相手が合意内容を確実に履行することが仮定されている点である.現実には,合意内容を確実に履行するかどうかは不確実な場合が多い.そのため,自動交渉技術を現実の交渉に適用できる場面は非常に限られている.そこで,本研究では,新規に合意に達しても相手が合意内容を確実に履行するとは限らないモデルを提案する.さらに,観測した相手の不履行の結果に応じて交渉戦略を変えるようなメタ戦略を提案する.シミュレーションの結果,合意を履行できる可能性が低いエージェントは,提案するメタ戦略によって,より高い効用値を獲得できることを明らかにする.
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薄 佑太, 森山 甲一, 武藤 敦子, 松井 藤五郎, 犬塚 信博
セッションID: 1F4-GS-5-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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人間は日常の集団生活において、目的達成のために、個人にとって利益のある行動選択を行うだけでなく、場合によって集団全体の利益を考慮した協調的な行動選択をすることがある。一方、エージェントが複数存在するようなマルチエージェント環境においても、人間の場合と同様の環境を想定する時、エージェントには協調行動が求められる。従来の協調行動の実現方法については設計者によって事前に設計されているものが多かった。しかし、そのような協調の規則を一つ一つ設計するのは困難だと考えられる。そこで、異なる種類のエージェントが協力すべきゲームにおいて、協調に必要なプロセスを事前知識として含むことなく、エージェントの座標情報を用いた強化学習によって、自律的に協調行動の獲得をする手法が提案された。しかし、この手法は、獲得した協調行動を未知の環境で発揮できないことが問題点となった。そこで本研究では、目標物の座標を基準とした”相対座標”を用いて状態を定義することでそのエージェントに汎化性能を持たせることを考える。先行手法と比較実験を行った結果、獲得した協調行動を未知の環境で同じように発揮し、汎化性能の導入に成功した。
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沖本 天太, 平山 勝敏
セッションID: 1F4-GS-5-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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共有経済とは,インターネットを介して個人と個人・企業等との間で活用可能な資産を共有する新しいビジネスの形態である.ライドシェアリングとは,共有経済における移動手段を共有するサービスの一つであり,代表的な応用例にタクシーの相乗り問題がある.本論文では,タクシー相乗り問題において,利用者にとって節約額が最大化されるような利用方法と,グループ内で不満が生じないような節約額の分配方法を示す.具体的には,エージェントが希望するサービスを考慮したサービス付き提携構造形成 (Service based Coalition Structure Generation, SCSG)問題のフレームワークを提案し,SCSGに基づくタクシー相乗り問題 (Taxi-Sharing problem based on SCSG, TSPSCSG)を定義する.次に,利得分配問題における解概念の一つであるシャプレイ値を用いて,各提携内でエージェント間に不満が生じないような節約額の分配方法を示す.最後に,阪神地区のタクシー料金に関する実データを用いて,TSPSCSGにおける最適な相乗りグループ,各々の節約額を求解する.
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小嶋 晨幹, 犬塚 信博, 武藤 敦子, 森山 甲一, 松井 藤五郎
セッションID: 1F4-GS-5-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本論文では、信頼と裏切りがネットワークに与える影響について検討する。信頼と裏切りの仕組みを導入した、信頼のネットワーク生成モデルを提案した。ノードをネットワーク上の人物、エッジを二人の人物間のコミットメント関係と仮定した。提案モデルでは、ネットワーク上の二人の人物が取引の機会があった時、お互いに信頼した場合に、コミットメント関係をエッジとしたネットワークを生成する。その結果、裏切りはネットワークの結びつきを強めるが、一方で孤立したノードの数を増加させることが確認された。
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末原 剛志, 竹内 孝, 鹿島 久嗣, 小山 聡, 櫻井 祐子, 横尾 真
セッションID: 1F4-GS-5-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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ダブルオークションは売手と買手の双方が価格を提示した上で,誰がどのような価格で取引を行うか決定するオークション形態である.同一の財を多数取引する場合に適するため,現在では証券取引や為替取引,ビットコイン等の暗号資産取引などで用いられている.一般にオークションが満たすべき性質として,全体の効用を最大化するパレート効率性,参加者が損をしないという個人合理性,嘘の評価額を提示する動機が存在しない誘因両立性,主催者が赤字にならないことを保証する予算均衡性といったものが挙げられる.しかし,ダブルオークションにおいては全てを満足するメカニズムは存在しない.本研究ではこれらの性質を目的関数や等式制約に組み込む形で最適化問題へと帰着させ,深層学習を用いて解くためのネットワークを提案する.特に売手と買手の個人合理性を必ず達成するとともに,入力の並び替えに対して同変な結果を出力するような対称性をもったアーキテクチャを構築した.そして学習によって得られたメカニズムの有効性を数値実験によって検証し,誘因両立性と予算均衡性をほとんど満足しながら既存のMDプロトコルを上回る効用が得られることを確かめた.
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吉野 弘泰, 藤田 桂英
セッションID: 1F5-GS-5-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本研究では,汎用的な自動交渉エージェント戦略を開発することを目的とし,クラスタリングを用いて複数の戦略集合から相手に応じた戦略を自動選択するアプローチを提案する.提案するアプローチでは想定する交渉相手の戦略群をクラスタリングし,各クラスタの代表点に対応する有効な提案戦略を,深層強化学習を用いて学習する.代表点に対応する戦略は各クラスタにおける平均的なエージェントに対する戦略であり,クラスタ内のエージェントに対して平均的に強い戦略と考えられる.提案手法が保持する戦略のクラスタ数について解析した結果,クラスタ数が少ないほうが得られる個人獲得効用が高い傾向にあることを確認し,特にクラスタ数が3のときに最も効用が高くなった.また,提案手法と先行研究の手法によるエージェントを,競技会で好成績をおさめたエージェントと対戦させた結果,先行研究よりも提案手法の方が高い個人獲得効用を得ることができることを示した.
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近藤 愛, 伊加田 恵志, 玉井 秀明
セッションID: 1F5-GS-5-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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筆者らは,トラック輸送の中でも特に貨物量コントロールが難しい混載輸送に着目した.混載輸送では複数の荷主の荷物を積み合わせるため,車両手配や収益性に課題を抱えている場合が多い.本研究では,予想される貨物量に応じて日々の輸送単価を変動させ,荷主の行動変容を促して貨物量変動を抑制する方法を検討した.また本方式をシミュレーション実装し,固定料金制の場合と比較して貨物量の変動や物流会社の収益にどのような変化が起きるかを観察した.変動料金制のシミュレーションでは,荷主が出荷予定の情報を登録する輸送予約登録制度を導入し,輸送単価の決定にはブッキングカーブを用いたプライシングアルゴリズムを採用した.その結果,変動料金制の導入によって貨物量の変動が小さくなり,荷主の支払う輸送運賃を増加させることなく,物流会社の利益のみを増やせる可能性があることが分かった.
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中村 栄太, 金子 仁美, 伊藤 貴之, 金子 邦彦
セッションID: 1F5-GS-5-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本稿では、音楽スタイルの進化の仕組みを調べるための、自動作曲を用いた進化実験の結果について報告する。音楽などの創作文化の発展は、複雑な創作知識の伝達と変異の反復により起こるが、この過程における新しい創作スタイルの出現の原理や社会評価を通した鑑賞者の影響はまだ良く理解されていない。本研究では、これらの問題を調べるため、実社会における複雑な要因を排除した上で音楽スタイルの進化過程を直接観測する方法として、世代交代を続ける創作者集団を模した自動作曲モデルの集合が多数の鑑賞者からの評価を受けながら進化する過程を調べる実験を行った。この結果、作曲スタイルを特徴付ける高次元の統計量の混合継承に基づく創作知識の変異過程を組み込むことで、音楽スタイルの適応進化が起こることが示された。また、音楽経験の違いにより鑑賞時の嗜好性に有意な差が見られ、これが多様な音楽スタイルの共存を促す可能性が示された。これらの結果は、音楽スタイルの進化における鑑賞者の能動的役割を示唆するとともに、同じ進化実験の枠組みで、既存音楽にはないが人々に好まれる音楽スタイルを持つ自動作曲システムが構築できる可能性も示している。
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山本 昂平, 奥田 次郎
セッションID: 1F5-GS-5-04
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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近年、オンラインコミュニケーションなどで集団での会話や会議の機会が増えている。このような複数人会話場面において、人を会話に積極的に参加させる方法を開発することは、よりよい人工対話支援システムの実現に有用である。そのためにはまず、第三者の会話に対する人の会話参入意欲が、連続的にどのように変化するか知る必要がある。本研究では、多人数会話に対する人の会話参入意欲の主観評定値を連続的に測定する実験システムを構築し、実験を行った。実験では、グループディスカッションコーパスTDU-NED(東京電機大学、2019)の動画を被験者に提示した。被験者が会話に参入したいと思う度合いを、物理スライダーによって0〜100のスケールで連続的に入力する実験システムを構築し、会話参入意欲の連続変化のデータを取得した。この連続値とコーパス情報を用いて、会話参入意欲が上昇する会話状況の分析を行った。結果として、複数の話者の同期した笑いや、会話中の適度な時間の間が、会話参入意欲の上昇に特徴的であった。よって、対話支援システムを開発する際は、人の笑い声と会話中の間を認識して、会話参入を促すようなシステムの提案が考えられる。
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板倉 怜史, 櫻井 祐子
セッションID: 1F5-GS-5-05
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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本論文では,戦略的操作不可能性と非羨望性を満たすスケジューリングメカニズムの提案を行う.スケジューリング問題は連続した時間帯をエージェントらの選好に基づいて割り当てる問題であり,ケーキ分割問題の応用事例の一つとしても知られている.我々は,スケジューリング問題をケーキ分割問題としてモデル化し,戦略的操作不可能性と非羨望性を満たすメカニズムを提案する.さらに,計算機実験によって提案メカニズムの効率性を評価する.
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筒井 和詩, 田中 良弥, 武田 一哉, 藤井 慶輔
セッションID: 1F5-GS-5-06
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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集団行動は、動物や人間を理解する上で最も基本的でありながら困難な現象の一つである。生物の集団行動に関するこれまでの研究は、一回限りあるいは短期間のパフォーマンスに焦点が当てたものが多く、これらのシステムの学習あるいは経時的変化についてはよくわかっていない。これは自然界の動物行動を長期間にわたって継続的に観察することが困難であることなどに起因する。そこで本研究では、深層強化学習に基づくマルチエージェントシミュレーション環境を構築することで、生物集団の行動変容を捉えることを試みた。ここでは、集団行動の典型例である協調的な狩猟を対象として研究を行い、集団を構成する個体の数によってある個体の役割の一貫性あるいは柔軟性が変化すること、狩猟の成功率が時間の経過とともに振動することなどを明らかにした。これらの結果は、自然界の観察によって得られている既存の知見を補完するものであり、生物集団のさらなる理解に向けた知見を提供するものである。
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小髙 充弘, マニャン モルガン, 井上 克巳
セッションID: 1G3-GS-1-01
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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ダイナミクスの支配方程式を観測から同定するタスクである方程式発見は,システムをより深く理解するために重要である.方程式発見手法の内,特に「非線形力学のスパース同定」(SINDy)は近年注目を浴びている.SINDy は高次非線形関数空間でのスパース回帰により微分方程式系を解析的に同定する手法であるが,変数や関数の選択に基準がなく,選択によって冗長な項を含む結果に陥る弱みを持つ.こうした項を因果に基づき減らし,効率的にダイナミクスを記述する方程式を得ることを目的として,本研究では「因果による倹約的な方程式学習」(PELC)を提案する.PELCは敵対的生成ネットワークに基づき多変量時系列から変数間の因果ネットワークを発見し,この構造的情報をSINDyの仮説探索空間の制約として導入することで微分方程式系を発見する.SINDy,VAR-LiNGAM,PELCの3つの手法について微分方程式系の再現率を比較した結果,本手法での再現率が最も高かった.以上より,PELCは深層学習による連続代数空間での因果ネットワーク発見と方程式発見を結びつける新しい手法として期待される.
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阿部 太一, 須子 統太, 後藤 正幸
セッションID: 1G3-GS-1-02
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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Webアンケートは安価かつ手軽に消費者意向を調査できるため,マーケティング等の分野における施策の立案・検証のための調査方法として非常に有用なツールとなっている.しかし, 完全なランダムサンプリングによってWebアンケートを行うことは難しいことが多く,調査結果にはしばしば選択バイアスが混入してしまう.このような選択バイアスに対応するため,選択バイアスの発生メカニズムをモデル化し,統計的決定理論に基づいて選択バイアスを補正する手法が提案されている.この従来研究は一般的なフレームワークであるが,実際にWebアンケート分析に適用するためには,具体的なモデルに落とし込み,その性能を検討する必要がある. そこで本研究では,回答結果が2値,共変量が連続値で表現されるようなWebアンケートデータにおける選択バイアス補正を対象とし,データの生成モデルとしてロジスティック回帰モデルを仮定する.そのもとで,統計的決定理論に基づく選択バイアス補正のフレームワークを用いて,具体的なモデルの定式化を行う.さらに,補正の精度や性質について,人工データを用いた数値実験で明らかにする
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松岡 龍汰, 米田 安希子, 山下 遥, 後藤 正幸
セッションID: 1G3-GS-1-03
発行日: 2023年
公開日: 2023/07/10
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従来の推薦システムの分野では, ユーザが直接アイテムへの満足度を付与した評価値データを用いた評価値予測のモデルが多かった. 近年では, 購入履歴などの行動履歴データ(暗黙的評価)を活用した推薦モデルが広く活用されている. 暗黙的評価を用いたモデルの1つにNeural Collaborative Ranking(以下, NCR)が提案されている. NCRは暗黙的評価が観測されていないアイテムの中で, 次に暗黙的評価が観測される確率の高いアイテムを推定し順位付けを行う手法である. 一方, 現実問題では, ECサイトにおける購買と閲覧のようにレベルの異なる複数の暗黙的評価が観測される場合が存在する. しかし, 従来のNCRのモデルでは複数の暗黙的評価を区別して学習することはできず, 観測されるデータを十分に活用することができない. そこで本研究では, 複数の暗黙的評価を活用したフレームワークであるDingらの方法を援用し, NCRにレベルの異なる複数の暗黙的評価を考慮したモデルを提案する. また, 実データを用いて, 精度評価を行うことにより, 提案手法の有効性を示す.
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