近年ロングテールデータと呼ばれる,クラスごとのサンプル数が大きく偏るデータセットでの識別問題が重要視されており,通常の訓練ではサンプル数の少ないクラスに属するデータの精度が劣化してしまうため難しい. 荷重減衰と重みのクリッピングを用いて2段階の訓練でロングテールデータでの精度を改善する手法が提案されたが,この手法は2段階目の訓練で多くのハイパーパラメータの調整を必要とする上に,なぜこの手法がロングテールデータに有効であるかの理由は判明していない.本研究ではこの理由を分析し,荷重減衰による特徴量抽出器のFDRの改善と,荷重減衰と重みのクリッピングによるロジット調整に分解できることを突き止めた.また,この分析結果をもとに2段階の訓練を行わない,性能の高さと簡略さの両方を実現する手法を提案する.