EC市場の拡大や新型コロナウイルス感染症の影響,また近年の労働力不足による配送リソースの枯渇の影響もあり,様々な業界において宅配事業の重要性や配送効率化の必要性は増加の一途を辿っている.特に店舗などの最終拠点から消費者の手元までの配送部分であるラストワンマイルに関しては,従来のEコマース型の配送に加えて即時配送(Qコマース)による配送業務の需要の増加等に伴い,多様な要件や制約を新たに考慮する必要性が生じている. 本研究では,上述した課題に対応するための配送プラットフォームにおけるシステム構築の一環として,「即時配送」と「計画配送」のそれぞれに対応した配送最適化アルゴリズムを開発した.具体的には、即時配送に対応したドライバー差配最適化,計画配送に対応したルート最適化アルゴリズムを構築した. どちらも実業務における課題解決のために必要な最適化要件や制約条件を包括的に加味し,適切なアルゴリズム・モデルの比較検討・実験を実施した.また,実際の業務適用により、各種評価指標において一定率の改善を観測することができた.