人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第37回 (2023)
セッションID: 2R5-OS-28a-02
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「身動き」の感得を促すツールの制作
知情意一体となった身体知のありようを目指して
*堀内 隆仁諏訪 正樹
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抄録

「身体運動像である」と私たちがみなす知覚像は、本来はそう認識されるより先にまず、「身動き」として感得されるべきものだ。身動きとは、動く身体が醸し出す「表情」のことである。表情とは、<知情意>一体となったゲシュタルトのことであり、私たちに生きられる環界は表情に満ち充ちていると廣松渉(1989)は説く。流れる小川はサラサラとしか言いようのない「爽やかな感情を纏った何か」として、引き金は「引こうという意図・意志がむき出された何か」としてまず立ち現れる。私たちは研究者であれアスリートなど実践者であれ、つい身動きをスルーして、客観(<知>)vs主観(<情><意>)という構図から出発し、身体の知のありようを捉え損ねてしまう。著者らは現在、身動き感得を促すアプリを制作している。ある身体運動について、そこに成り立つ物的関係性をもとに、元の運動を変形した特殊な身体運動映像が、それを見るユーザに、身動きを立ち現れさせ得ると考える。身動きとしての新しい(運動の)分類体系が得られる可能性もある。

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© 2023 人工知能学会
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